ボスの「見栄」と、終わらない農家
今日からまた新しい1週間の始まりです。
朝、事務所に向かうと久しぶりにボスがいました。 これまでのプロジェクトの進捗を報告しつつ、今後の意見交換を行います。 彼女がしきりに気にしていたのは、「いつJICAの職員が視察に来るのか」ということでした。 「彼らが来るまでには、ちゃんと見せられるように進めておこうね」と念を押されます。
悪く言えば「見栄っ張り」なのかもしれませんが、その体面を保つためのモチベーションが、結果的にプロジェクトへの協力的な姿勢に繋がっています。これも立派な原動力の一つ。彼女のこういう「見せたい」という気持ちを上手く活用して、周囲を巻き込んでいけたらと思います。
今日はカウンターパート(CP)が別の場所でトレーニングとのことだったので、一人でマッシュルームのパートナー農家の元へ進捗確認に行きました。片道約30分の徒歩移動はなかなかの距離ですが、最近始めたAudibleで本を聴きながら歩くには、とても心地の良い時間です。
農家に着いて現場を確認すると、案の定、先週末までに「絶対に終わらせる」と言っていた作業は普通に終わっていませんでした。 面白いのは、彼らが全く悪びれることなく、まるで最初からその段取りであったかのように堂々と話してくることです。 これぞケニア。ある程度予想もついていたので、心は全く乱れません。
この作業が終わらないことには、次に進めないため、今はじっと待ちます。
遅くとも今週中には終わりそうな気配なので、来週から本格的に栽培を始められるように準備を進めます。

障がい者農業とマッシュルームのポテンシャル
事務所に戻った後、来訪者の方と会話をしました。 その方は、目が見えない農家さんでした。
彼女はキノコやイチゴの栽培にとても興味があるとのこと。
先週、政府の肥料配布を手伝った際にも身体に障がいを持つ農家さんがたくさん来ていましたが、ケニアでは障がいがあっても自力で農業をしている人が非常に多いです。 しかし、その現実は過酷です。今日来た彼女は綺麗な服装をしていましたが、先週肥料を受け取りに来た方の多くは服が破れ、靴はボロボロで、スマホを持っている人はほぼ皆無でした。ケニアにおける障がい者雇用や福祉支援は、日本と比較してもまだまだ大きく遅れているのが実情です。
彼女と話しながら、マッシュルーム栽培と障がい者雇用は、相性が良いのではないかと考えていました。
実際に日本でも、キノコ農園で障がい者雇用を積極的に行っている事例を耳にします。 キノコ栽培は、一度環境を作ってしまえば直射日光を浴びる屋外の重労働ではありません。作業自体がシンプルでルーティン化しやすく、屈んだり重いものを持ち上げたりする身体的な負荷も比較的少ないのです。
今はまだ小規模なトライアル段階ですが、将来的にこのプロジェクトがスケールした時、こういう人たちを雇用できるようなソーシャルな仕組みが作れたら素晴らしいなと、大きな目標が一つ増えました。
バイブコーディングと「知識の形」
帰宅後は、少しだけAIの勉強に時間を充てました。 自律的に動く「AIエージェント」を稼働させ、膨大なデータの収集とフロントエンドの作成をテストしてみました。
収集したいデータが多く、APIのトークン数の制限に引っかかって今日は途中までしかできませんでしたが、それにしても便利すぎると感動しました。
自然言語だけでプログラミングを行う「バイブコーディング」という言葉は、今ではもはや常識になっていますが、この言葉は昨年生まれた言葉です。
実際に使ってみると、本当に誰でもシステムが作れてしまう時代になったのだと痛感します。 私自身は以前PythonやHTML/CSSを齧ったことがあり、最低限のコードの読み書きやデプロイまでの流れを把握しているため、AIの意図を汲んでスムーズに進められたという側面はあります。しかし、知識ゼロからスタートしたとしても、余裕でできるだろうなと思わせるほどの圧倒的な進化です。
私がプログラミングを勉強していた3年前には、全く考えられないスピードと精度です。 世の中は本当に便利になっている。「知識を丸暗記して詰め込む」ことよりも、「使いながら、活用の幅を広げいく」スキルの方が圧倒的に重要になるのだと、PCを叩きながら実感しました。
色々と使い倒してみます。

同期の悩みと、負けられない夜
夜は、週に1回の同期隊員とのオンラインミーティング。
今日共有されたのは、ある同期の「ファシリテーション」に関する悩みでした。 現地のコミュニティに入り込み、人々の意見を引き出し、会議をまとめていく上でのリアルな壁。 その話を聞いて、少し羨ましくなりました。なぜなら、それが「とてもコミュニティ開発の隊員らしい、仕事と悩み」だったからです。
みんな、それぞれの現場で泥臭く人と向き合い、着実にステップを上がっています。
「私も負けてられないな」 心地よい焦りと刺激をもらい、明日からの活動への闘志を燃やした夜でした。頑張ります。


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