【ケニア派遣146日目】スーツはNG? 農業事務所のTPOを学ぶ

カカメガでの活動
カカメガでの活動

快晴の週明けと、2人の実習生

今日から新しい1週間の始まりです。
空は見事な快晴。気分の良い、清々しい週明けとなりました。

今日から、事務所に二人の「アタッチメント(大学生の実務研修生)」がやってきました。 一人はハキハキとしていて仕事ができそうな男性。もう一人は、少し自信がなさそうで控えめな女性です。私と同世代くらいの若者たちです。

彼らを迎えた事務所のメンバー(同僚オフィサーたち)が、それぞれに対して行ったアドバイスが、ケニアのビジネス文化や農業現場のリアルを物語っていて非常に興味深いものでした。

農業オフィサーのTPOと「身構えられない」服装

男性の実習生は、初日ということもあって気合が入り、ネクタイまで締めたビシッとしたスーツ姿で出社してきました。

もちろん初日の服装として悪いわけではありませんし、むしろ好印象です。しかし、同僚は彼に対して「適切な服装(TPO)」について、こんな風に話をしていました。

「事務所での仕事やフィールドに出る時は、もう少しラフな格好の方が”相応しい”よ」

理由は大きく二つあるそうです。 一つ目は、シンプルに「動きやすさ」の問題。泥だらけの畑を歩くこともあるため、スーツでは仕事になりません。 二つ目は、「農家に身構えられないようにするため」です。あまりにフォーマルすぎる格好で行くと、農家との間に心理的な壁ができ、本音を引き出せなくなってしまいます。 「だから、フィールドに出る時はポロシャツくらいが良い。でも、Tシャツのようなラフすぎる格好はオフィサーとして威厳がなくなるからやめておけ」

なるほど。親しみやすさとオフィサーとしての威厳のバランス。ケニア人にもしっかりとした「TPO」の概念があり、現場での見え方を論理的に計算しているのだなと感心しました。

「いくら?」と聞く前に寄り添うこと

一方、少し自信がなさそうな女性の実習生に対しては、コミュニケーションの姿勢についての指導が入りました。

「事務所のオフィサーとして現場に出るなら、シャイであってはならない。しっかりとコミュニケーションを取らないといけないよ」

同僚は、マーケット調査を例に出して説明を続けます。

「マーケットに行って、いきなり『それいくら?』と直接的に聞くのはダメだ。まずはちゃんと相手の隣に寄り添って、世間話や会話をした上で聞くのが大事なんだ」

これもまた、非常にケニアらしい本質的なアドバイスです。 私がこの数ヶ月で学んだ「彼らは用件の前に長い挨拶や無駄話をする」という文化は、単なる暇つぶしではなく、相手との警戒心を解き、人間関係を構築するための重要なプロセスなのです。

先生と生徒のような同僚と実習生たちのやり取りを横で聞きながら、私自身も深く頷いていました。 これから約2ヶ月間、同僚として一緒に働くことになる彼ら。同世代として、仲良く、そしてお互いに刺激を与え合いながらやっていきたいと思います。

手間暇かける日本食と、500gの唐揚げ

夜は、「唐揚げ」を作りました。 特に何か大きな成果があったわけではありませんが、毎日を生き抜いている自分に対するご褒美です。

鶏肉を一口大に切り、醤油、生姜、にんにくでしっかりと下味を漬け込む。 油の温度に気をつけながら、2回に分けてカラッと揚げる。 用意した鶏肉は500gくらいあったはずなのですが、揚げたてを頬張っているうちに、気づけば全てなくなっていました。自分でも恐ろしい食欲です。

唐揚げをかじりながら、こういう風に、食材に下味をつけたり、寝かせたりして「手間と時間」をかける料理って、ケニア料理にはあまりないよなと、考えていました。

ケニアの食事は、素材を焼く、茹でる、揚げる、といったシンプルな調理法がメインです。それはそれで素材の味が活きていて美味しいのですが、出汁をとったり、漬け込んだり、発酵させたりという複雑な工程を経る料理は稀です。

それに引き換え、日本食の豊かさたるや。 これほどまでにバラエティ豊かで、奥深く、圧倒的に美味しい料理が存在する日本は、間違いなく世界一の食の国だと、異国のキッチンで一人、唐揚げの余韻に浸りながら確信しました。

良い天気に、新しい仲間、そして最高の唐揚げ。 今週も良い1週間になりそうです。

大根の煮物も本当に美味しかった。

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