【ケニア派遣141日目】全員に挨拶する先輩と、イヤホンをする私。正解のない異文化への「向き合い方」

カカメガでの活動
カカメガでの活動

全員への挨拶と、異文化への「向き合い方」

今日は任地マトゥングでの近々のタスクが落ち着いていたため、朝からプチ遠征へ。 同じカカメガ郡内の「ウィセロ」という街で活動している先輩隊員を訪ねました。初めて行く場所でしたが、実は私の任地から一番近い隊員の活動拠点です。

午前中は、彼の事務所や近くの工場、そして彼の家や生活圏を案内してもらいました。

一緒に歩いていて最も印象深かったのは、先輩が「すれ違う人ほぼ全員に挨拶をしていること」でした。部族後で、とにかく声をかける。これは顔見知りを作り、地域に溶け込み、ひいては自分自身の安全を確保するという意味で、コミュニティ開発において間違いなく素晴らしい行動です。

実は私も、赴任したばかりの最初は同じようにやっていました。 でも、毎日それを続けるのは、シンプルに疲れます。中には挨拶をきっかけに面倒な絡み方をしてくる人もいるため、私は早々に全員へ挨拶するのをやめました。(今でも、顔見知りや感じ良さそうな人にはしますが…)
なんなら最近は、道を歩く時にあえてイヤホンをつけて、外のノイズを遮断することすらあります。

先輩のやり方は本当に尊敬しますが、今の私には真似できないなと素直に思いました。異文化の中で自分をすり減らさずに生き抜くための「向き合い方」には、人の数だけ正解があるのだと思います。

マンダジ(揚げパン)工場。パッキングまでして、売っているみたい。
だいぶ立派な設備が整っていました。薄利でもマンダジくらい文化に染み付いており、めちゃくちゃ売れるものはビジネスになるのかな…?

同じカカメガ、全く違う世界

ウィセロの街は、私の任地マトゥングとは随分と雰囲気が違いました。

マトゥングよりもお店の数は多いのですが、全体的に人が少なく、街の中心部に農家の匂いがあまりしません。農村エリアは中心から少し外れた場所にあるようです。

そして何より、とても静かです。 道を歩いていても、アジア人をからかってくる嫌な人が少ない。近くに高校がないため、集団でエネルギーを持て余している若い人が少ないからではないかな。

現在、カカメガ郡には農業関係の隊員が私を含めて3人いますが、同じ郡内でも任地によって街の空気も、住んでいる人も全く異なります。 こればかりは配属の「運」と「相性」です。私は適度に賑やかなマトゥングを結構気に入っていますが、このウィセロの静かで穏やかな空気もとても魅力的でした。

1時間の待ち時間と、空腹というスパイス

昼食は、街で一番キレイめなレストランへ案内してもらいました。

驚いたのは、スタッフの接客態度が非常にしっかりしていたことです。 ケニアの地方都市の食堂では、給料は決して高く設定されていないはずです。それでも、きちんとしたマニュアルがあり、上から厳しくマネジメントされ、それに見合う対価(やりがいや評価)があれば、ケニアでもこれだけ質の高いサービスが提供できるのだと感心しました。 オーナーの方とも挨拶を交わしましたが、今後のビジネスパートナーとして良好な関係性を築けそうな、とても良い雰囲気でした。

席に着いて注文を済ませましたが、ここからが長かった。 客は私たちともう一人しかいなかったのに、食事が運ばれてきたのは約1時間後でした。

おそらく、下準備や作り置きを一切しておらず、注文が入ってから生地を練り、一から全てを作っているスタイルなのでしょう。 これもケニア時間。のんびり話しながら待ちましたが、流石に空腹が限界に近づいてきます。

そしてようやく運ばれてきたチャパティとサモサ。
限界の空腹という最高のスパイスも相まって、めちゃくちゃ美味しかった。

私の任地では滅多にお目にかかれない豚肉がこの場所では安かったです。

クオリティが証明する「価格」の真理

美味しい食事を噛み締めながら、一つの確信を得ました。

ローカルの道端で売っているチャパティと、このレストランのチャパティ。 同じ食べ物でも、使っている油の質や、調理の工程(手間暇)が違うだけで、明確なクオリティの差が生まれます。そして、そのクオリティの差はしっかりと「価格の差」として成立しているのです。

「ちゃんとクオリティに差を出せば、高い価格は取れる」

このキレイめなレストランには、お金を持っている層が日常的にやって来ます。静かな田舎町に見えるウィセロにも、そうした購買力のある富裕層や中間層が確実に存在しているのです。

これは、私が今育てているイチゴや、これから始めるマッシュルームのプロジェクトにとって、とてつもなく大きなヒントです。 高品質なものを作り、それを評価して適正価格で買ってくれる場所へ届ける。 私の任地マトゥングからこのウィセロのレストランまでは、十分に自分たちで配達できる距離です。

ただの休日ランチが、有望な「新規開拓の営業先」に変わりました。 自分の任地を飛び出し、先輩の背中から学び、新しい市場のポテンシャルを発見した、非常に有意義な141日目でした。

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