【ケニア派遣127日目】ガソリン200シリング超えの衝撃。中東情勢がケニアの「1食」を奪う日

カカメガでの活動
カカメガでの活動

「遠くへ行きたければ、みんなで行け」

今日は同僚が別件でカカメガタウンの方へ仕事に行っており、事務所にいても特にできることがありませんでした。

午前中は、マーケットのおばちゃんや、道を歩いてすれ違う人とひたすら会話をして過ごしました。地味な時間の使い方ですが、顔を売り、地域に溶け込むためのこうした「根回し」のような行動は、コミュニティ開発において実はとても大切だと思っています。 午後は家に戻り、読書と調べ物でインプット。ほぼ休憩のような、ゆったりとした1日でした。

ただ、ふと焦りを感じる瞬間があります。
「自分で畑を持ったり、自分で事業を作ったりできたら、だいぶ楽でスピードも速いだろうな」と。

現地のカウンターパートや農家など、関わってくれる人が多い分、私一人の裁量で勝手に活動を前に進めることはできません。合意形成や確認に時間がかかり、どうしてもスピード感は遅くなります。

そんなもどかしさを感じた時、よく引用される有名なアフリカの諺を思い出します。

「早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け」
(If you want to go fast, go alone. If you want to go far, go together.)

今の私の現状に対する「言い訳」のように聞こえるかもしれませんが、この言葉を自分に言い聞かせ、焦る気持ちを落ち着かせながら、コミュニティと共に歩んでいこうと思います。

ガソリン200シリング超えと、消える「1食」

昨夜、月に1回行われるEPRA(ケニアのエネルギー・石油規制局)の燃料価格発表がありました。

結果は、ガソリンが1リットルあたり約29シリングの大幅値上げ。 ついに、大台の「200シリング / リットル(約200円)」を超えてしまいました。政府が補助金を入れ、税率も下げているにもかかわらずこの価格です。主な原因は中東情勢の悪化と、対ドルでのケニアシリング安だそうです。遠い異国での戦争や経済動向が、ケニアの田舎町のガソリンスタンドの看板にダイレクトに反映されています。

この値上げは、庶民の生活に強烈なダメージを与えます。 同僚の話によると、市民の足であるマタツ(乗合バス)の運賃も、便乗して値上げされるだろうとのこと。 「たかが10〜20シリング(約10〜20円)の値上げ」と思うかもしれません。しかし、往復で50シリング上がったとすれば、それは私がいつも食べているローカル食堂の「定食1食分」の値段に匹敵します。 交通費が上がるだけで、その日のランチが食べられなくなる人が確実に出るのです。

一方で、マタツやボダボダ(バイクタクシー)の運転手たちも、この燃料費高騰では利益が出ず、生活が立ち行かなくなるでしょう。「どこかで大規模なストライキや暴動が起きてもおかしくないな……」と、肌で感じるインフレの脅威に少し背筋が寒くなりました。

誤読の幅を定める夜

夜は、新しく始めようとしているプロジェクトについて、仲間とオンラインでミーティングを行いました。

今日はとにかく「言語化」と深く向き合う時間でした。自分が頭の中で考えていること、思っていることを「100%正しく」相手に伝えること。それは途方もなく難しく、なんなら「絶対に無理なこと」なのではないかとすら思います。どれだけ言葉を尽くしても、相手は自分のフィルター(経験や文脈)を通して解釈するからです。

だとしたら、言語化の意味とは一体何なのか。もしかすると、「相手の『誤読の幅』を定めること」なのかもしれないな、とふと思いました。

「どうせ少しは誤解される」という前提に立ち、絶対に間違ってほしくないコアの部分だけは強固な言葉で守り、それ以外の部分は解釈の余白(誤読の幅)として残しておく。 そんなことを考えながら、頭を悩ませた夜でした。

チームで動くもどかしさ、燃料高騰のリアル、そして言語化の限界。
静かながらも、思考が深く潜っていく1日でした。

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