【ケニア派遣128日目】「主役はあなただ」。大工を待ち続けた5時間半と、優秀な同僚から学ぶエンパワーメントの極意

カカメガでの活動
カカメガでの活動

終わらない待ち時間と、予期せぬ出会い

今日こそはマッシュルームのプロジェクトを前に進めようと、気合を入れて農業事務所へ向かいました。

まずは大工さんと直接話し合い、必要な素材をリストアップして集めようという算段です。すでに同僚がマッシュルーム農家の方と細かく連絡をとってくれており、事前にイメージはしっかりと共有できていました。こういう手回しの良さは本当にありがたいです。

しかし、待てど暮らせど大工が来ません。間を取り持って手配してくれる予定だった農家の方も、一向に現れる気配がありません。

時計の針だけが容赦なく進んでいきます。何度も「今日はもう帰ろうか」と心が折れそうになりましたが、それでもじっと待ち続けました。

運良く顔見知りの来客者が複数人、事務所を訪ねてきました。話をしてみると、なんと彼らもマッシュルームのプロジェクトに参画してくれそうな前向きな雰囲気。近々、農家の方を呼んで本格的なトレーニングを行う予定ですが、その時には15人くらい集客できそうな手応えを得ました。彼らに興味を持ってもらうため、事前に自作していた概要マニュアルを取り出し、プロジェクトの全体像を軽くプレゼンしました。

大工を待つという無為な時間も、こうして現場にいれば思いがけない出会いやチャンスに繋がる。これもまたケニアの不思議なところです。

今日話した農家の方々の反応を見ると、イチゴ栽培の時よりも、遥かに前向きに検討してくれているように思います。この地域で話されるルヤ語にはキノコを指す「Bwoba」という単語が存在します。言葉があるということは、それだけ彼らの日常や食文化の身近にある存在だということです。 イチゴのような未知の作物よりも、生活に馴染みのあるマッシュルームの方が、心理的なハードルが圧倒的に低いのかもしれません。

水が溢れていました。

ルヤ語の「Bwoba」と、プロジェクトの主役

農家の方が元気に事務所へやってきたのは、14時を過ぎてからでした。同僚が「一体何をしているんだ」という感じで少し厳しく詰め寄り、大工を探しに行ってくれました。そして、最終的に大工が事務所に到着したのは15時半。 いやはや、本当に待ちました。

でも、夕方に大工の方としっかり話ができ、無事に小屋作りの方向性が定まりました。
明日、資材の買い出しに行く予定です。

その話し合いの最中、同僚は農家さんにこんなことを話していました。

「このプロジェクトは、あなたが主役です。私やトム(私のこと)のプロジェクトではなく、あなた自身のビジネスです。そのことを今日から強く自覚しなさい。」

厳しい内容ですが、決してその場の空気を悪くさせず、むしろ相手を奮い立たせてその気にさせる。見事な伝え方でした。この同僚は、私がこれまで出会ってきた中でもトップレベルで仕事ができるケニア人です。農家をどうエンパワーメントし、当事者意識を持たせるか。シンプルに一人の社会人として学ぶことが多く、彼女がカウンターパートである幸運に感謝せずにはいられません。 彼女の期待を裏切らないためにも、自分にできる裏方の仕事を一生懸命に進めようと思います。

お好みソースという名の魔法

夜は、自宅で2回目となるキャベツ焼きを作りました。 本当は豚肉を入れて本格的なお好み焼きにしたいところですが、近所ではなかなか手に入らないためキャベツのみで作っています。
それでも、今日のキャベツ焼きは特別です。 先日ナイロビへ遠征した際に、お好みソースとキューピーのマヨネーズをしっかりと調達してきていたからです。

焼き上がった生地にたっぷりとソースを塗り、マヨネーズをかける。 一口食べた瞬間、そこはもう完全に日本でした。どんなに具材が質素でも、この二つの調味料さえあればすべてを日本の味に変えてしまう。日本の食品メーカーの偉大さを噛み締めながら、長い待ち時間の疲れを癒した夜でした。

コメント

タイトルとURLをコピーしました