【ケニア派遣313日目】遅れるテントと大雨のスコール。ファーマーズマーケット初日に直面した現場のリアル

ケニア派遣313日目。待ちに待ったファーマーズマーケット初日。8時指定のテントが1時間半遅れで到着するケニアの洗礼を受けつつ、陳列や掲示を手探りで整えて11時にお客さんを迎え始める。農家さんの一生懸命な接客に手応えを感じた矢先、14時から猛烈なスコールと急激な冷え込みに見舞われ、連日の疲労も重なり意識朦朧に。過酷な雨季の洗礼を本番の土曜日への糧とする一日を綴ります。

1時間半遅れのテントと、手探りの開店準備

本日、ファーマーズマーケットの初日を迎えました。

朝8時にブース設営用のテントを届けてもらう手筈を整えていたため、時間通りに現場へ向かいました。
しかし、約束の時間を過ぎても、テントが届く気配は一向にありません。

電話をかけ、何度もプッシュして急かし続け、ようやくトラックが会場へ滑り込んできたのは午前9時半を回った頃でした。

これが、ケニアの洗礼か……

一筋縄ではいかない現地の時間感覚にため息を呑みつつ、急いで設営を開始しました。

ただ、幸いというべきか、客足が立ち始めるのはお昼前からの見込みで、11時頃までは会場全体にほとんど人が歩いていませんでした。
この遅延による空白の時間が、結果的に準備のための貴重な猶予となってくれました。

ブースの前に立ち、農家さんたちと手探りで準備を進めていきます。どの位置に何を並べれば一番目を引くのか。価格や特徴を伝える掲示はどう書けば伝わるのか。
見せ方や導線をああでもないこうでもないと試行錯誤を重ねるうちに、11時を迎える頃には、ようやくお店としての体裁が整ってきました。

正午に向けて少しずつ会場にお客さんが足を踏み入れ始め、ブースの前にも立ち止まってくれる人が現れました。

何より心強かったのは、一緒に店頭に立ってくれた農家さんたちの姿でした。
通りかかる一人ひとりに熱心に声をかけ、商品の魅力や育て方のこだわりを自分の言葉で一生懸命に説明してくれています。
彼女たちの前のめりな熱量のおかげで、手探りだったブースは活気のある温かい空気に包まれ、ちゃんと形になっていました。

叩きつけるスコールと、意識が朦朧とする寒さ

「ここから午後のピークに向けて盛り上げていこう」

そう気合いを入れ直した矢先の14時頃、空の色が一変しました。

ゴロゴロと雷鳴が轟いたかと思うと、前が見えなくなるほどの猛烈な大雨が吹き荒れ始めました。

雨季のケニアのスコールです。

地面は瞬く間に泥の海へと変わり、テントの屋根を激しく叩きつける雨音で人の声すら掻き消されてしまいます。 とても屋外でマーケットを継続できるレベルではありませんでした。

吹き込む雨風によって会場全体の気温が一気に急降下し、骨の髄まで冷えるような寒さが身体を襲います。連日の疲労や数日前からの喉の痛み、そして朝からの設営の緊張が一気に重なったのか、体調の悪化に襲われました。寒気にガタガタと震え、立っているだけで頭がクラクラとし、意識が朦朧としてくるような過酷なコンディションでした。

「雨季のイベント運営は、天候のリスクまで織り込んで設計しなければならない。」

自然の猛威を、冷え切った身体を通して強烈に痛感させられました。

見えてきた課題と、本番の土曜日への糧

激しい雨は1時間あまり降り続いた後、ようやく小降りになりました。

テントに溜まった水を落とし、濡れたテーブルを拭き直して、規模を縮小しながらなんとか販売を再開しました。
それでも、初日のピークタイムを丸ごと豪雨に奪われてしまった痛手は小さくありません。

正直なところ、午前のバタバタと午後の豪雨、そして自身の体調不良が重なったことで、初日の記憶は断片的にしか残っていません。
心身ともに削られた一日でした。

しかし、嵐のような一日を乗り越えたからこそ、手元に残った収穫もあります。

実際に現場に立ち、商品を並べ、お客さんと対峙してみなければ決して見えてこないリアルな課題がたくさんありました。 ブースの掲示の視認性、雨風への備え、商品の見せ方や在庫の管理方法など、机の上でいくら企画書を練っていても気付けなかった「足りないもの」が、輪郭を持ってはっきりと浮かび上がってきました。

本番として人が最も多く押し寄せるのは、週末の土曜日である明日です。

今日の失敗やアクシデント、そして雨季の洗礼は、明日という本番を万全の態勢で迎えるための、実践の予行練習だったのだと受け止めています。

まずは今夜、身体をしっかりと休め、朦朧とした頭をリセットすること。
今日見つかった課題を一つずつ修正し、農家さんたちを支えたいと思います。