至福の外気浴と、赤く染まった洗い物の水
昨日の熱狂的な盆踊り本番を終え、今日は朝から撤収と後片付けの一日でした。
ただ、作業へ向かう前の朝の時間は、これ以上ないほど贅沢に過ごしました。ホテルのジムで軽く身体を動かして汗を流し、サウナで芯まで温まり、屋上プールでぷかぷかと泳ぎ、仕上げに風に吹かれながらの外気浴。
あまりの心地よさと多幸感に、外気浴のベンチの上でずっとニヤニヤしていました。

最高のコンディションに整ったところで、午前9時に会場へ移動。
そこから15時過ぎまで、およそ6時間にわたってひたすら洗い物作業に没頭しました。
シンクと向き合っている途中、ふと流れている水がうっすらと赤く染まっているのが目に入りました。
「なんだろう?」と思って自分の両手を裏返してみると、手のあちこちに細かい切り傷ができて血が滲んでいました。
昔から、気がつくと身体のどこかに擦り傷や切り傷を作っています。どうやら私は、周囲の物理的な物と自分の身体との距離感を正確に測るのが、不器用なようです。作業をしていると、いつの間にか全身がひどく汚れてしまうのもお決まりのパターンです。
それでも、手を止める気にはなりませんでした。これほど素晴らしい熱狂のイベントに関わらせてもらい、さらには至れり尽くせりのVIPなホテル生活まで用意していただいたのです。その大きな恩と感謝を返すためにも、一生懸命、身体を動かして働かなければ嘘になります。
たい焼きの生地。チョコバナナのチョコ。
調理器具にこびりついたそれらは強敵でしたが、相手にタオルと手で力強く擦り続け、なんとか粘り勝ちです。
すべての食器をピカピカに洗い上げました。

「好きと楽しい」を極める大人たち――佐々木さんと熊本の記憶
片付けが一通り落ち着いた頃、この巨大な盆踊りイベントの発案者である佐々木さんが、運営の仲間たちと輪になって話し込んでいる姿が目に入りました。
次は何を仕掛けようか!
大きな本番を終えた直後だというのに、早くも次の面白い企みに向けて、少年のような無邪気な笑顔で熱っぽく言葉を交わし合っていたのです。
直接いくつかの言葉を交わさせてもらいましたが、彼の佇まいを見つめていると、「この人は、心の底から人生を楽しんでいるのだな」という圧倒的なオーラが全身から伝わってきます。 世界中を舞台にして、自分が心からワクワクすること、大好きなことに全エネルギーを注ぎ込み、楽しい時間のためならお金も労力も一切惜しまない。
これほどまでに楽しそうに前を走るリーダーであれば、周囲の人々が自然と惹きつけられ、喜んでついていきたくなるのも当然だと深く納得させられました。
その姿を見ながら、私は昨年、熊本で出会った宮川さんのことを思い出していました。宮川さんもまた、理屈や損得勘定を超えて、自分の「好き」と「楽しい」を極限まで突き詰め、周囲を巻き込んでいく強烈なカリスマ性を持った人でした。
週刊少年ジャンプの主人公のようです。
自分の人生の舵を自分で握り、誰よりも楽しそうに生きる最高に格好いい大人たち。
私もいつか、彼らのように自分の熱源で周りを照らせる人間になりたいと、強い憧れを抱かずにはいられませんでした。
「普通」から外れた先にある熱狂、満たされたガソリン
夜は、日本食レストランを貸し切ってのアフターパーティーに参加しました。 美味しい和食とお酒を囲みながら、ボランティアや運営スタッフとして関わっていた様々な人たちとじっくりと言葉を交わしました。
見渡す限り、「普通の人」が一人も見当たりません。 何年間も世界中を旅し続けている人、定職に縛られずふらふらと軽やかに国境を越えている人、あるいは海外の最前線でとんでもない金額を稼ぎ出しているビジネスパーソン。
経歴も肩書きもバラバラですが、どの方も自分の力で生き抜くための確固たる術と哲学を持っており、ただ遊んでいるだけの人間は誰一人としていませんでした。多様で、逞しく、そして面白い。人間という生き物の可能性の広さに、ただただ深いリスペクトを覚える時間でした。

そんな濃密な空間に身を置きながら、ふと自分自身の現在地を考えていました。
比較的順調だった仕事を辞めて、協力隊という道を選んでケニアの農村へ飛び込んだ約1年前。
世間一般の「普通」からは、少し外れた場所に立っています。
水が出ない、電気が止まる、作物が枯れるといった思い通りにいかない苦しい瞬間もたくさんあります。
しかし、この異国の地で過ごす日々は、何物にも代えがたいほど楽しい。日本でを過ごしていたら絶対に触れられなかった生々しい刺激や感情の揺らぎを、私は今、全身で浴びながら生きています。
もしかしたら私も、ほんの少し、半分くらいはこの場にいる「規格外の大人たち」の仲間入りができているのかもしれない…? (間違いなく、この会場の中で一番お金を持っていないのは私ですが)

普段は、日が暮れると同時に部屋を真っ暗にして活動を停止する生活を送っています。
さらには、もともと大人数の場はあまり得意ではないため、夜遅くまで大勢の人と話し続けるのは、少しだけ無理をして体力を振り絞った時間でもありました。
それでも、その疲れを何倍も上回るほどの熱量と楽しさを受け取ることができました。
大人の本気の遊び場に触れ、格好いい背中に刺激をもらい、明日からまたケニアの現場で戦い抜くためのハイオクガソリンが、身体の奥底まで満タンに補給されました。
このエネルギーを元に、また明日から、がんばります。