【ケニア派遣285日目】キベラの若者と焼くたい焼き。100人の日本人がケニアに作る、本気の夏祭り前夜

ケニア派遣285日目。ホテルのトイレ修理に現地の職人(Fundi)の凄さを実感し、朝は豪華ジムで筋トレ。9時からは明日の「盆踊り」に向け、約100人の日本人が集結して会場準備を開始。キベラ出身の料理訓練生たちとスワヒリ語を交えてたい焼き屋台の仕込みに励み、大量のカレーやみたらし団子、大太鼓の搬入など、文化祭前夜のような熱狂と感動を綴ります。

迅速なFundiの修理と、豪華ジムでの朝活

朝、部屋のトイレの水が流れっぱなしになり、止まらなくなってしまいました。

フロントにお願いすると、すぐにFundi(現地の修理職人)が部屋へやってきました。
工具を手際よく動かし、あっという間に原因を突き止めて直してくれました。

何でもその場ですぐに解決してしまう手際の良さは、ケニアの素晴らしいところです。日本で同じトラブルが起きれば、管理会社へ連絡し、専門業者の手配を待ち、数日後にようやく修理が入る、なんてことも珍しくありません。この適当さと隣り合わせの瞬発力には、いつも助けられます。

トイレが無事に直ったところで、朝活へ向かいました。

向かった先は、ホテル内にある広々とした本格トレーニングジム。
バーベル、ダンベル、各種マシンがずらりと並ぶ贅沢な空間です。

せっかく無料で使える設備があるのに、触らない手はない

そんな貧乏性が顔を出し、普段は自重で細々とやっている筋トレを、今日はウェイトを使って限界まで追い込みました。

負荷をかけ、筋肉をしっかりいじめ抜いた後の爽快感。キモチェ。

身体の奥底からエネルギーが湧き上がってくる最高の1日の始まりです。

100人の日本人が集まる異様な熱気と、久しぶりの緊張

朝9時からは、明日土曜日に開催される「盆踊り」イベントの準備会場へと向かいました。

会場に到着して圧倒されました。 ボランティア、運営スタッフ、パフォーマーなど、ケニア各地から集まった日本人の数は、およそ100人近く。これだけの規模の日本人が一つの空間に集まっている光景を目にするのは、昨年の訓練所以来かもしれません。

運営メンバーと現地のケニア人スタッフの方々が、すでに会場の基礎をしっかりと組み上げてくださっていました。私たちの役割は、その土台の上に屋台や装飾といった最後の仕上げを施していくことです。

普段、任地でケニア人ばかりに囲まれ、身振り手振りと適当なノリで会話を交わす日常に慣れきっていたため、久しぶりの日本人だらけの環境には少し緊張してしまいました。敬語の距離感や細やかな気配りなど、日本社会特有のコミュニケーションを思い出しながら、ケニア人と話している方が頭を使わなくて楽だなと感じてしまう自分がいました。(日本人との会話も楽しいですが。)

それぞれのボランティアには持ち場が割り振られており、私の担当は「たい焼き」でした。

日本人もう1人と、現地のケニア人スタッフ3人を加えた、合計5人のチームで屋台の準備を進めることになりました。

キベラの若者たちと、スワヒリ語で繋いだ輪

一緒にたい焼きを担当してくれたケニア人のうち2人は、ナイロビの巨大スラム、キベラの出身でした。

現在は職業訓練校で料理の技術を学んでいる学生たちで、今の最大の悩みは「卒業に向けた実習先がなかなか見つからないこと」だと話してくれました。厳しい現実に直面しながらも、彼らはとても陽気で、作業中も鼻歌を歌ったり、音楽に合わせて身体を揺らして踊ったりしながら、実に楽しそうに手を動かしてくれました。

普段、任地の田舎において、私自身がルヤ語やスワヒリ語の飛び交う輪の中で「会話に入れない孤独感」を何度も味わって。だからこそ、日本人ばかりのこのイベント空間の中で、彼らにアウェイな思いや疎外感を絶対に味わわせたくありませんでした。

知っている限りのスワヒリ語を駆使し、こちらから積極的に彼らの懐へと飛び込みました。
冗談を交わし、作業の指示や段取りをスワヒリ語で伝えていく。

ふと我に返った時、自分でも驚くほど自然にスワヒリ語が口から出ていることに気づきました。

任地で現地の人々と毎日言葉を交わしてきた日々の積み重ねは、知らず知らずのうちに、私の身体の中に生きた語学力としてしっかりと根を張っていたようです。彼らが笑顔で打ち解けてくれたことが、何よりも嬉しかったです。

カメラマンにさせられる私。何度も撮り直し要求されて困りました…

夜遅くまで続く文化祭前夜と、出現した「日本の夏」

準備作業は、気づけば夜遅くまでノンストップで続きました。

どのブースも、妥協がありません。
カレー担当のエリアでは、家庭用とは桁違いの信じられない分量の野菜が山のように刻まれ、大鍋で煮込まれていく。みたらし団子のブースでは、大量の粉を手作業でこね上げ、一つひとつ丸めて熱湯で茹で、香ばしく焼き色をつけてタレを絡めていく。

大人たちが本気になって、汗を流しながら一つの祭りを立ち上げていくその空気感は、文化祭前夜の熱気でした。

特に男性陣は、重たい大太鼓の搬入や会場設備の設営といった力仕事が重なり、作業はかなり遅い時間まで長引きました。腰や腕には心地よい疲労感がずっしりと溜まっていきます。(朝の筋トレは余計だったかもと少し後悔が残ります…)

見渡す限りの赤や白の提灯、立ち並ぶ屋台、敷き詰められた石畳。

アフリカの大地、ケニアの真ん中に、これほど完成度の高い「日本の夏」が忽然と姿を現した事実に、胸の奥が熱くなるほどの感動を覚えました。

周囲を見渡していると、自分が今アフリカにいるのか、それとも日本の下町の夏祭りに迷い込んだのか、本気で境界線が曖昧になってきます。

明日は本番。楽しみです。