【ケニア派遣261日目】託した「Tufaha」。スワヒリ語に名を持つリンゴと、1シリング単位の家計簿

ケニア派遣261日目。視察から持ち帰ったリンゴの苗木をパートナー農家へ進呈。1個50シリングで流通しスワヒリ語「Tufaha」の名を持つ果樹の需要と手応えを実感。自作アプリでの1シリング単位の家計簿管理や、夜の農業隊自主ゼミ「しくじり」テーマでの失敗共有と熟睡の一日を綴ります。

社会人経験が生きる朝と、託された2本の「Tufaha」

昨夜遅くに旅から我が家へ戻り、今日は家でゆっくり過ごそうかと考えていました。

しかし、いつも通りの時間に目が覚めてしまったため、結局そのまま気持ちを切り替えて仕事を始めることにしました。

朝一番で、溜まっていたタスクを一度洗い出し、今週のToDoと優先順位を整理します。
短い期間ではありましたが、日本で社会人として働いていた経験は、こうした日常のタイムマネジメントやスケジュール整理の場面で確実に活きていると感じます。

思考がすっきり整ったところで、昨日視察先のワンブングアップルで購入してきた大切なリンゴの苗木を手に取りました。

今回は2人のパートナー農家さんのもとへ、苗を託しに向かいます。

どんな場所に植えるべきか、日当たりや土壌の条件、植え付けの手順などを丁寧に伝えました。強い日差しを避けるため、実際の植え付け作業は夕方の涼しい時間帯に行ってもらう約束を交わしました。

今回はあくまで極小規模なトライアルです。
それでも、実際に苗を手にした農家さんと話してみると、「リンゴなら売れる自信がある」と非常に前向きで頼もしい返事が返ってきました。

確かに、街の青空マーケットを歩いていても、輸入物の小ぶりなリンゴが1個あたり50Ksh(約60円)という強気な価格で売られています。現地の人々にとって身近で魅力的な高級フルーツなのです。

ケニアやタンザニアといった東アフリカの地域では、自国でのリンゴ栽培はこれまでほとんど行われてきませんでした。それにもかかわらず、スワヒリ語には古くから「Tufaha」というリンゴを指す固有の単語が存在しています。

それほどまでに文化として根付いている果樹。
気候の適応や収量を含め、この地でうまく育ってくれることを願うばかりです。

1シリング単位の家計簿アプリと、母親譲りの健全な習慣

早く家に帰って身体を休める予定でした。

しかし、2件の農家さんとリンゴや今後のプロジェクトについてじっくりと話し込んでいたところ、気づけば外はすっかり夕方の光に包まれていました。

心地よい疲労感を抱えて我が家に帰宅し、軽く仮眠をとって体力を回復させます。

暗くなる前に目を覚まし、溜まっていたブログの更新作業や、今回のナイロビ・ニャフルル遠征で使ったお金の精算を行いました。

自分で開発した家計簿アプリを使い、1シリング単位で日々の支出を細かく記録しています。 これは、昔から家計のやりくりをきっちりこなしていた母親の影響です。お金に対して特別、執着があるわけではありません。ただ自分が何に、どれだけの価値を感じてお金を使っているのかを客観的に把握できている状態は、異国で一人で生きていく上でとても健全なバランス感覚だと思っています。

支出の数字を綺麗に整理し終えると、自分の行動の軌跡が可視化されたようで、頭の中もすっきりと凪いでいきました。

「しくじり」から学ぶ自主ゼミと、死んだような深い眠り

夜は、定期的に開催している農業系隊員の自主ゼミ、にオンラインで参加しました。

今回のゼミのテーマは、「しくじり」。 各隊員がこれまでの現場活動で経験してきた生々しい失敗談と、そこから導き出した改善策について、意見を交わし合う時間でした。

協力隊員として、そして同じ農業というセクターを背負う立場として。 置かれた任地や環境は違えど、直面する壁や人間関係の悩みなど、失敗の共通点が多く、参考になる実践知の宝庫でした。

他人の失敗をあざ笑うのではなく、そこから学びを得て自分の現場へと還元していく。
この横の繋がりの頼もしさを、改めて実感させられました。

遠征の疲れ、農家さんとの対話、そして夜の熱い議論。

すべてのタスクをやり切った後、ベッドに倒れ込むようにして、死んだように深い眠りにつきました。