ナイロビのオタ祭りと、誰もが主役になれる自由さ
今回のナイロビ滞在の目的である、アニメイベント「オタ祭り」へ参加してきました。
そのイベントの存在を知った時から、いつか絶対に行ってみたいと願っていた場所。
満を持して会場へと足を踏み入れました。
一言で言えば、本当に素晴らしい空間でした。
日本の洗練されたコスイベと比較してしまうと、衣装や小道具の完成度という点では、発展途上と言えるかもしれません。ただ、その「敷居の低さ」こそが、このイベントの持つ最大の魅力であり、美しさなのだと実感しました。
体型や肌の色なんて誰も気にしていない。限られた予算・素材を工夫して装備を作り上げ、好きなキャラクターになりきって堂々と胸を張る。そこには、純粋にアニメを愛する人々の弾けるような笑顔と熱量が満ち溢れていました。
その輪の中に、観客として見ているだけの自分が100%混ざりきれていないことに対して、もどかしさや羨ましさすら覚えるほどでした。
来年の今頃はちょうどケニアの大統領選挙の時期と重なるため、イベントが無事に開催されるかは不透明です。しかし、もしチャンスがあれば、私もコスプレをして、あの狂宴に飛び込んでみたいです。

95%がケニア人。ネットが広げたクールジャパンと「平和」の形
会場を見渡して驚かされたのは、参加者の約95%以上が地元のケニア人であったことです。
インターネットや動画サブスクリプションサービスの浸透によって、日本のアニメカルチャーがこのアフリカの地へも深く、確実に届いているのだと体感しました。クールジャパンここにありといった光景です。
国境や人種、歴史的な背景の違いをいとも簡単に飛び越え、好きなものを一緒に楽しみ、同じ時間を共有する。
これは、私たちが目指すべき「平和」のひとつの完成形なのではないでしょうか。
アニメというエンターテインメントには、人々の心の壁を溶かし、世界を繋ぐ圧倒的な力があると確信させられました。

また、コスプレの傾向としては、やはり『BLEACH』や『鬼滅の刃』のような、「剣」を振るうキャラクターが絶大な人気を誇っている印象を受けました。一方で、『この素晴らしい世界に祝福を!』や『ジョジョの奇妙な冒険』など、作品独自の独特な世界観やファッションデザインそのものに惹かれてキャラクターを選んでいる人も見受けられ、ケニアのオタク層の層の厚さを感じました。
もっと色々な人々が、それぞれの自由な入り口から日本のアニメに触れ、楽しんでくれたらこれ以上嬉しいことはありません。

徹夜で続く宴と、「熱狂を作る」ということの凄み
このイベントはなんと翌朝までぶっ通しで開催されるそうです。
私はといえば、夕方近くには圧倒的な熱気に気圧され、疲労困憊となって会場を後にすることになりました。おそらく、日が落ちて夜が深まる頃からこそ、彼らにとっての本当の宴が始まるのでしょう。アフリカの若者たちの体力の凄まじさには感服するばかりです。
一つの場所にこれだけの人間を引き寄せ、笑顔とエネルギーを生み出す。
熱狂を作る。
言葉で言うのは簡単ですが、ゼロからその熱源を生み出し、人々を巻き込んでいくことの凄まじさを、身をもって知る一日となりました。
自分の活動においても、ただ正しい知識を伝えるだけでなく、人々が自発的に関わりたくなるような「小さな熱狂」をどうデザインしていくか。
アニメイベントの熱気の余韻に浸りながら、そんなことを考えていました。
最高の刺激と、たくさんの笑顔をもらったナイロビの休日。
このイベントで浴びた熱量を自分の中のエネルギーに変換して、また明日からの日常へと向き合っていきます。
