「レシピと効能」に応える、ケニアナイズされた動画制作
朝、まずはキノコの収穫を手早く済ませ、同じカウンティ(県)内で活動するキノコ農家さんのもとへ向かいました。
今日の目的は、新しい試みである「プロモーション動画の撮影」です。
これまで自分の足で営業に歩き回ってきた中で、顧客から最も頻繁に投げかけられる質問は、いつも決まって2つでした。
「これはどうやって調理(レシピ)すればいいのか?」
「これを食べると、体にどんな良いこと(効能)があるのか?」
この2つの疑問をクリアに解き明かすことが、マーケティングと販売促進に重要になると考えています。。
そこで、SNSやショート動画を活用したコンテンツ制作を行うことにしました。
撮影にあたって、演者は私自身ではなく、やる気溢れる現地の農家さんにお願いすることにしました。
外国人の私が画面に出て解説するよりも、現地の人が現地語や英語で語りかけ、ケニアの人々の好みに寄り添ったケニアナイズされた味付けで調理する方が、圧倒的にリアリティと親しみやすさが伝わると判断したからです。
動画制作に関しては素人同然のスタートです。
どのカットから順番に押さえるべきか、どんな素材映像が本当に必要なのか。光の差し込み方や、マイクで拾う声の通りの良さなど、現場での段取りは想像以上に難航しました。それでも、これから定期的に撮影を積み重ねていく予定ですので、回数を重ねながら少しずつノウハウを蓄積し、慣れていこうと思います。

12,000バッグの圧巻と、原石を探す問い
動画制作に協力してくれたその農家さんのポテンシャルには、息を呑むものがありました。
彼の敷地にある栽培小屋は、なんと菌床袋(バッグ)を「12,000個」も収納できる圧倒的なキャパシティを誇っています。キノコ単体の売り上げだけで、少なく見積もっても年間およそ360KES(約400万円)という規模の数字が叩き出せる計算になります。
先日関わっていた農家さんが月1万KES(約12,000円)程度の規模感であったことを考えると、同じキノコ栽培という枠組みでありながら、これほどまでに大きなスケールの差を生み出せる事実にただただ圧倒されました。
彼は、すでに自ら磨かれた一握りの「原石」なのかもしれません。
しかし、この広いケニアのどこかには、まだ誰の目にも留まっていないけれど、強い情熱とポテンシャルを秘めた「磨かれていない原石」のような農家が、必ず眠っているはずです。
私自身の役割は、そうした原石を発掘し、光を当てるきっかけを作ることなのだと、胸の奥が熱くなりました。

このカカメガ地域の優位性です。
6回止まったトゥクトゥクと、KESTESの未来
撮影に向かう、今日の移動には4時間近くの時間を費やすことになりました。
その原因は、道中で乗り込んだ1台のトゥクトゥク(三輪タクシー)。
何らかのメカニックトラブルを抱えていたのか、走っては止まり、走っては止まりという不穏な挙動をひたすら繰り返すのです。
1回、2回と止まるたびに運転手がエンジンをいじり、再始動する。
「1回目で諦めず、ギリギリまで粘るのがケニアらしく面白かったです。
結局、6回目の停車を迎えたところで流石に諦めがつき、別のトゥクトゥクに乗り換えることにしました。
時間がどれだけかかろうが、ハプニングが起きようが、今日の私はどんなトラブルに見舞われても一切のダメージを受けない無敵のコンディションでした。こういう予期せぬ不条理すらも、ゆとりを持って笑い飛ばせるメンタリティは、この国で生きていく上で大切な強みです。

夕方からは、昨日行ってきたKESTES(奨学金支援組織)の家庭訪問レポートの作成に取り組みました。
書類を整理しながら改めて確認すると、訪問したあの学生は学業成績が非常に優秀であることが分かります。環境の貧しさゆえに学ぶ機会を奪われかけている彼が、無事に審査を通過して奨学金を勝ち取れるよう、私にできる書類のサポートとアピールをしっかりとやり切ろうと心に決めました。
ハプニングも、新しい挑戦も、すべてを軽やかに受け止めた一日。
今夜は動画制作のアイディアをノートに書き留めながら。
明日からも頑張ります。