【ケニア派遣224日目】白ダニと鳥の襲撃に耐えて。サッカー愛を綴る夜と、先輩隊員の悩みに学ぶ未来の課題

ケニア派遣224日目。いちご畑で直面する白ダニや鳥、ナメクジの被害、そして防鳥ネット施工のスタック。苗の現金化を急ぐ農家との計画性の擦り合わせに悩みつつも、夜に農家から届いた自主的なマーケティング議論の提案に希望を見出します。さらに、サッカーへの愛を込めたエッセイ執筆や農業隊自主ゼミでの学びを綴ります。

花は咲けども届かぬ収穫と、現場で直面する課題の数々

今日は、いちご畑の進捗確認に向かいました。

株を観察してみると、綺麗な花が咲き、実も順調に膨らみ始めています。
しかし、そこから無事に「収穫」というゴールまで辿り着くのが、想像以上に難しい。

葉の裏を見ると、おそらく白ダニと思われる害虫が発生してダメージを受けている株がありました。さらに、せっかく赤く色づきかけた大切なフルーツは、鳥やナメクジに先を越されて食い荒らされてしまっています。

この鳥害を防ぐための「防鳥ネット」の導入に関しても、現在少しスタックしています。 ネットの設置をお願いしている業者さんとなかなか連絡が取れず、作業が進まない状態が続いています。同僚からは「いつまでも連絡を待つのではなく、他の選択肢も並行して探した方がいいのではないか」と現実的なアドバイスをもらいました。改めて農家さん自身がもう一度連絡を取ってみる予定ですが、どう着地するかはまだ読めません。

一刻も早くネットが導入され、安全にフルーツを収穫して出荷できるサイクルを作りたいところです。

さらに現場で気になったのは、一部のプロットでランナー(子株を伸ばす蔓)が切り取られず、伸び放題になっていた点でした。 理由を尋ねてみると、「いちごの苗を購入したいという人がいるので、その人たちに向けて苗を増やしている」とのこと。

スモール農家にとって、手っ取り早く苗を売って現金化したいという気持ちはよく分かります。そのビジネスセンス自体は決して悪いことではありません。ただ、フルーツを本格的に生産・収穫するための専用プロットでランナーを伸ばしっぱなしにしてしまうと、親株の栄養が吸い取られ、実が大きく育たなくなってしまいます。

目の前の課題は、山積みです。 一度にすべてを解決しようと焦るのではなく、課題を一つひとつ切り分け、彼らと対話しながら解きほぐしていくしかありません。

サッカー愛が溢れるエッセイと、先輩の背中に見る未来の課題

夕方以降は、自宅でデスクワークに集中しました。 ここ最近、スマートフォンのメモ帳に少しずつ溜め込んでいた思考の断片を整理し、一本のエッセイとして書き上げる作業に取り組みました。

テーマは、大好きなサッカーについて。 書き進めるうちに、自分の中に眠っていたサッカーへの情熱と愛が溢れ出してしまい、気づけばかなりの長文になっていました。それでも、まだまだ書き足りないと感じるほどです。

アカデミアの世界に進むことには興味がありません(できない)。ただ、「スポーツビジネス」や「スポーツと政治の相互関係」といったテーマであれば、とても面白い領域だなと感じます。もちろん、趣味として純粋に楽しんでいるからこそ、これほど熱量を持って言葉を紡げるのだと思いますが…

夜は、隔週で開催している「農業系隊員の自主ゼミ」に参加しました。

オンラインで集まった先輩隊員たちが現場でぶつかっている悩みや試行錯誤のプロセスを聴く時間は、とても有意義な学びの場です。 特に先輩隊員が、今直面している葛藤や壁は、これから私が活動のフェーズを進めていく中で、確実に直面するであろう「未来の課題」そのものだからです。先人の実践知を事前にインストールさせてもらえる環境があることに、心から感謝しています。

同僚に半ば強引に連れて行かれ、久しぶりに昼ごはんを食べました。
久しぶりのウガリは結構美味しかった。

夜に届いた一通のメッセージ:当事者意識という名の希望

自主ゼミが終わり、一日の終わりにスマホを眺めていたときのことです。

本日訪ねていた、いちご農家さんから一通のメッセージが届きました。

「明日マーケティング戦略についてディスカッションしたいんだけど、来られる?」

画面に浮かび上がったそのテキストを見た瞬間、胸の奥がパッと明るくなるのを感じました。

こちらから「打ち合わせをしよう」と指示を出したわけではありません。 彼らが自分たちのビジネスとして捉え、自分たちの意思で「どうやって売っていくか」を真剣に考え、私を対等なパートナーとして頼ってくれたのです。

指示待ちや他力本願に頭を抱える日もあります。
でも、こうして彼らが自発的に一歩を踏み出し、当事者意識を持って熱を帯びていく瞬間に出会えるからこそ、この地での普及活動はやめられません。

彼らのその前向きさ、積極性が、何よりも嬉しい。

明日もまた、彼らのその熱量をしっかりと受け止めながら。
テーブルを挟んで、マトゥングの未来を一緒に熱く語り合ってきます。