2日連続の停電と、突然訪れた「完全な遮断」
今日から始まるのは、これといった大きな予定のない、比較的穏やかな1日。
朝、配属先である農業事務所に足を運び、ボスと少しこれからの活動方針やスケジュールについて話を交わしました。そこから先は、家に戻って落ち着いてPC作業やデスクワークを進めようと、早めに帰宅しました。
しかし、エリア一帯が昨日から丸1日以上にわたって絶賛停電中。 もちろん、我が家も電気はありませんでした。 Wi-Fiのルーターは静かに眠ったままで、インターネットへの接続も完全に遮断されています。PCを開いたところで調べ物はできないし、データを外部に送信することもできない。
さて、どうしたものか…
しばらくはスマートフォンのモバイルデータ通信を使って、細々と必要な連絡をこなしていましたが、それも時間の問題。夕方を迎える頃にはスマートフォンのバッテリーもついに力尽き、画面は冷たい漆黒へと戻っていきました。
情報社会から、物理的にも精神的にも完全に切り離され、強制的なデジタルデトックスが始まりました。
ノートとペンで、できることを少しだけ
スマートフォンが使えなくなり、PCの充電も節約しなければならない。 そうなると、必然的に「電子機器を使わないでできること」に集中するしかありません。
私はノートとペンを引っ張り出し、テーブルに向かいました。
やったのは、プロジェクトにかかったコスト計算など、電子機器がなくてもできる単純な作業。これまでに購入した培地、種菌、栽培袋といった資材の初期投資額などを、ノートに書き出して簡単に整理していきました。
普段なら、スプレッドシートを開いて一瞬で終わるような作業。 しかし、こうしてあえて自分の手でノートに文字を書き、計算を進めていると、普段よりお金の動きを少しリアルに実感できる気がしました。
スモールビジネスだからこそ、シビアなコスト管理は農家の生活を支える命綱です。情報から遮断されたからこそ、余計なノイズに惑わされることなく、目の前の数字と向き合う時間が作れました。
暗闇が教えてくれた、極上の眠り
日が傾き始めると、部屋の中はゆっくりと暗闇に支配されていきました。
いつもなら、停電であってもスマートフォンの青白い光を目に当て、遅くまで世界中のニュースを追いかけたり、SNSの画面をスクロールしたりしていたはず。 ただ、今夜はスマートフォンの充電も完全に「0%」です。 枕元で点滅する通知のLEDライトすらありません。
夜の19時を過ぎると、外は完全な漆黒と、動物の声だけの世界。
他にやれることもないので、そのまま早い時間から布団に潜り込むことにしました。
デジタル機器から放たれるブルーライトを一切浴びない夜。
驚くほどすんなりと、そして深く、身体の奥底から心地よい眠気が満ちてくるのを感じました。
便利なインターネットがないのは、仕事を進める上ではやきもきすることばかりです。しかし、こうして自然のサイクル(太陽が沈んだら眠り、昇ったら起きる)にただ身体を委ねて眠りにつく時間は、現代社会ではなかなか味わえない、回復の時間なのかもしれません。
大変ですが、たまにはこういう日も悪くないかな。
たっぷり寝て、明日からはまた、100%のエネルギーで現場へと繰り出す準備を整えます。
電気も水もないマトゥングの暗闇の中で、よく寝た1日でした。
