【ケニア派遣213日目】ケニアパワーに思わず感謝した夜。4日ぶりの電気復旧と、あわあわ動き出す私の机

ケニア派遣213日目。赴任から7ヶ月が経過し、活動の3分の1を終える節目。キノコの新規営業で「会えない」「売れない」厳しさに直面しつつも、外国人としての目立つ強みを活かした「紹介キャンペーン」のアイデアを閃きます。そして、4日ぶりに電気が奇跡の復旧!溜まったタスクに慌てふためきながらも、文明の光に心躍らせた夜を綴ります。

赴任7ヶ月目の節目と、バッグの底に眠らせたスマホ

今週もあっという間に、金曜日を迎えました。
そして今日で、ケニアに赴任してからちょうど7ヶ月が経過したことになります。

時の流れの早さに改めて驚きつつ、自分の現在地を静かに見つめ直す朝でした。

先日のブログにも記述したように、先週は自分のなかで少しメンタルが落ち込みがちでした。 しかし、スマホの充電が少し戻っていた時間を利用して、『COTENラジオ』の番外編でバングラデシュでストリートチルドレンのために20年以上活動しているエクマットラの渡辺さんの話を聞き、大きな元気をもらいました。

渡辺さんの経験は壮絶で偉大すぎて、自分の活動とは比較になりませんが、想いは重なる部分があり、彼の話を通じて自分の原点を、もう一度強く、はっきりと再確認することができました。

それに加えて、5日間の停電と断水という過酷な不便さが、良い意味で私を外の世界のノイズから引き離し、自分の内側へと深く引き込んでくれたのだと思います。
おかげで今週は、とても高いモチベーションを持って頑張ることができました。

また、この1週間は、スマートフォンの充電がなかったため、外に出ている間はバッグの底で眠ったままでした。

結果的に、画面のなかの冷たい記号に頼るのをやめ、目の前にいる地域の人々と、主体的に、一生懸命スワヒリ語を使って会話を交わすことになりました。 ただ歩く歩道が極上の語学レッスンに変わり、何気ない挨拶の掛け合いから、新しい良好な関係性が広がっていくのを感じました。そして、その地道な対話が、キノコの新しい販路開拓へと、まっすぐに繋がっていきました。

停電・断水に悩まされながらも、逆にそのおかげで充実した良い活動ができた1週間だったと振り返ります。平日最終日の今日も頑張るぞと自分を鼓舞しながら家を出ました。

家に導入したJiko(七輪)。近い将来「焼き鳥」をやる!

1/3しか売れなかった営業と、アジア人の「紹介キャンペーン」の閃き

本日は、収穫したマッシュルーム約3パックを抱えて、隣町ムミアスへと営業に向かいました。

結論から言うと、今日はすべてを売り切ることはできませんでした。 昨日「明日買うよ!」と笑顔で約束してくれていた2人の顧客のもとを訪ねたのですが、タイミングが悪かったのか、あるいは現地のいつものルーズさなのか、残念ながら会うことができませんでした。スマートフォンの充電が切れていたため、直接連絡を取って待ち合わせることもできませんでした。

「もう今日の夜ご飯の食材は買っちゃったから、また今度ね」
「キノコは調理したことがないから、どうやって食べたらいいかわからない」

断られる理由はさまざまです。

しかし、営業をかけながら歩く中で、ポジティブな確信も掴み取っていました。 「若いアジア人が、新鮮なマッシュルームを売っている」という認知は確実に広げられたと思います。次はこれをしっかり関心から行動につなげる。そして同時に、認知をさらに広げていきます。

次は、紹介キャンペーンをやってみようと思います。

気づいたのは、ここマトゥングやムミアスには、似たような経済レベルの人たちがしっかりと横に繋がっているという事実です。 特にムミアスにおいて、インド系をはじめとする少し肌の色の明るいお金を持っている層がおり、彼らは購買角度が非常に高い潜在顧客です。
だからこそ、キノコの美味しさと価値を理解してくれた1人の顧客を徹底的にファンにして、彼らのつながりを通じて、口コミで一気に新規顧客へとネットワークを伝播させていきたいと考えています。

来週からは新しい戦術を本格的に仕掛けていこうと思います。

メイズ以外の選択肢がない農家

マトゥングに帰宅した後、パートナー農家さんと少し話をしました。

農家さんは、ため息混じりにこう漏らしていました。 「もっと、普及事務所のオフィサーの人たちに頻繁に畑を巡回してアドバイスをしてほしい。私たちには、メイズ(トウモロコシ)を育てる以外の知識も、新しいアイデアも何もないから、他を選ぶことすらできないんだよ」

彼らの「受け身の姿勢」をどうにかして変えなければ、いくらいちごやキノコを導入しても、持続可能な自立には至りません。 ただ、ここで「もっと主体性を持って動きなよ」と言い返したところで、何の意味もない。

私は彼らに対して、「いつ、どこで、どんな活動をしているか」というスケジュールを開示しました。 「私は〇曜日にここにいる。もし君がやる気を持って来てくれるなら、一緒にプロジェクトをやろう」

彼らが自発的に「あいつのところへ行こう」と思えるような、小さな選択肢と仕掛けのバトンを渡しておきました。ここから彼らがどう動くか、静かに観察していこうと思います。

ケニアパワーの奇跡と、電気が灯った部屋での「あわわ」

帰り道、路上で黄色い「Kenya Power(ケニア電力会社)」の作業車を見かけました。 「お、もしかして…復旧が近いのかもしれない」と、それだけで少しテンションが上がっていました。

そして夜、真っ暗な部屋で散らかっているものを整理していた、その瞬間でした。

「ブー」と音を立てて、冷蔵庫が起動し始めました。

「電気が、ついた……!」

約120時間、完全な暗闇に閉ざされていた我が家に、文明の明かりが戻ってきた瞬間でした。 あまりの嬉しさに、暗い部屋の中で思わず小さく飛び跳ねてしまいました。

そもそもケニアパワーが数日間も電気を止めていたのが原因なのに、煌々と照らされた部屋の中を見渡すとケニアパワーに感謝して、ありがたさを噛み締めている自分がそこにはいました。

Wi-Fiのルーターが緑色のランプを点滅させ始めると、私のスマートフォンとPCの画面には、この5日間に溜まりに溜まった膨大なメッセージや、作成途中の資料、次に行うべき事務処理のタスクたちが、津波のように一気に押し寄せてきました。

「うわ、何から始めたらいいんだ……!?」

あまりの情報の濁流に、頭が混乱して一瞬「あわわ、あわわ」とパニックになり、右往左往してしまいました。 しかし、その慌ただしさすらも、暗闇の中で静かに言葉を紡いでいた私にとっては、贅沢な忙しさのように感じられて嬉しかったです。

赴任から7ヶ月が経ち、電気が通り、水も大家さんの優しさで満たされている。

週末はしっかりと頭を整理して、この溜まったタスクを1つずつ片付けたら。 来週からは、あの完売させたキノコの重みを両手に、もっと広く、もっと深い市場へと自分の足で切り込んでいきます。

参考: