ドタキャンと、事務所前の行列
今日は、カカメガ内にあるマッシュルームの先進農家へ、事務所のメンバーやパートナー農家さんと一緒に視察に行く予定……でした。
しかし朝、同僚から電話があり「別の予定が入ったからキャンセルになった」とのこと。
見事に出鼻をくじかれました。でも、「まあ、ケニアだし仕方ないか」と、切り替えます。
事務所へ向かうと、建物の前には長蛇の列ができていました。 確かに、同僚たちには「別の仕事」があったようです。未亡人や障がいを持つ農家の方々へ、国から支給された肥料とメイズ(トウモロコシ)の種を配布していました。 あらかじめ登録されリスト化された人たちへの配布。不正受給が起きないよう、名簿で厳重にチェックしながら進められていました。現場は常に動いています。

小さな前進と、共鳴するビジョン
視察は中止になりましたが、同僚は私たちのプロジェクトを少しでも進めようと動いてくれました。 「できることからやろう」と、マッシュルームを育てる予定の農家へ行き、家族に挨拶をし、栽培場所や作業スペースを具体的に決めてきました。さらに、培地作りのための材料の手配も進めています。
また、事務所に来ていた農家グループの方々がマッシュルーム栽培に興味を持ってくれました。 「今度、メンバーを10人くらい引き連れてくるよ!」と言って帰っていきました。ケニア人の口約束なので本当に来るかは分かりませんが、もしグループごと巻き込めれば、影響範囲は一気に広がります。
さらに今日は、昨日まとめたドキュメントをベースに、自分の活動の展望を同僚とボスにプレゼンしました。 結果は、大賛同。 内容をさらに詰め、病院や学校とも本格的にコンタクトを取っていくことになりました。もちろん、相手の要望を第一に聞きながら進めますが、私がやりたいことに対してここまで協力的な姿勢を見せてくれるのは、本当にありがたい環境です。
今週もあっという間に終わりました。 なかなか思い描いたスピードでは進みませんが、小さくても確実に一歩ずつ歩みを進めている実感があります。悪くない1週間でした。
AIの異常な進化と、マネーゲームの憂鬱
少し話は変わりますが、今週はテクノロジー界隈が大きくざわついていました。 Anthropic社の最新モデルの発表です。
現在、モデルの性能の高さだけで言えば、Anthropicが独走状態に入っている印象を受けます。 しかし、性能が上がれば上がるほど、サイバーセキュリティ上のリスクは跳ね上がります。今回もまさにその点が大きな争点になっていました。これほど高度なAIにかかれば、インフラレベルのシステムの脆弱性さえも簡単に見つけ出し、アタックできてしまう可能性が現実味を帯びてきています。
モデル発表のペースは、もはや加速度的です。 私がこのケニアでの2年間の任期を終え、日本に帰る頃には、世の中の前提がひっくり返るような「別世界」になっているんじゃないかと、本気で危惧しています。
ただ、ふと思うのは「Claudeの利用コスト、めちゃくちゃ高いよな」ということです。 NVIDIAのトップ(革ジャンCEO)でさえ、「エンジニアなら給料の半分くらいをトークン代に突っ込まないとヤバい」と語っているのを耳にしました。
従量課金の世界の中では、結局は資本力のある人間や企業だけが最先端のAIを使い倒し、さらに富を築いていく。 もちろん、高いコーディングレベルなどが求められる専門領域の話ではありますが、なんだか結局は「マネーゲーム」に陥っているような気がしてなりません。
泥臭い農業支援の現場で、100シリングの重みを感じながら生きている今の私には、そのマネーゲームの世界が少しだけ空恐ろしく、そして「なんだか嫌だな」と感じてしまいます。
世界はどこへ向かっているのか。
停電で真っ暗な中、遠い未来のテクノロジーに思いを馳せた週末の夜でした。


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