【ケニア派遣116日目】アートの価値と大豪邸のキノコ農家。ナイロビで見つけた「アフリカ」という主語の危うさ

任地外視察・遠征
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アートの価値と、ナイロビの洗練

ナイロビ滞在2日目。
今日も予定が盛りだくさんの1日でした。

朝ごはんは「SubZ」でサンドイッチをテイクアウト。メニューも内装も注文の仕方も完全にあの「サブウェイ」です。 気になって調べてみると、どうやらケニアでサブウェイを展開していた現地企業が、フランチャイズ契約の終了等に伴い、店舗やメニューはそのままに「SubZ」という独自ブランドに変更して営業を続けているようです。なかなか豪快な大人の事情を感じます。
しかし、照り焼きチキンを頼んだはずが、味は普通のチキンでした。美味しいから良しとします。

さぶぜえええっと

午前中は、デザイナーを探している同期隊員に同行してアートギャラリーへ足を運びました。 ここを訪れるのは2度目ですが、才能あふれる絵やデザインにはやはり圧倒されます。 ただ、値段は観光客向けなのか非常に高い。綺麗なエリアというわけでもないのに、わざわざここに足を運ぶ層は、作品の背景にある「ストーリー」に価値を見出し、お金を払うタイプの人たちなのかもしれません。

アートには絶対的な適正価格というものがないと思います。 完成した瞬間に価値が決まるのではなく、誰かがそこに意味を見出し、人が見ていく中で価値が変動していく。不安定で難しい世界ですが、だからこそ夢や一発逆転もあるのだろうなと、展示を眺めながら思考を巡らせていました。

日本人サッカー部でのリフレッシュ

昼過ぎからは、ナイロビで活動する日本人サッカー部に久しぶりに参加させてもらいました。

ナイロビは高地とはいえ、日中はやはり暑い。息も上がり、体力的にかなりきつかったです。 でも、純粋にボールを蹴るのは最高に楽しく、心身ともに最高のリフレッシュになりました。ほぼ毎週活動されており、いつ行っても温かく迎え入れてくれるこのコミュニティの居心地の良さに感謝です。またナイロビに来た時は顔を出そうと思います。

大豪邸の裏庭で育つ「ボタンマッシュルーム」

サッカーの後は、マッシュルームを栽培している農家さんの元へ視察に向かいました。 昨日視察した「ヒラタケ(オイスター)」「シイタケ」に続き、今日は「ボタンマッシュルーム」の栽培現場です。

共有された住所に近づくにつれ、明らかに街の空気が穏やかになっていきます。高い壁の奥に鎮座するのは大豪邸ばかり。 訪問させていただいた家も例外ではなく、同期隊員が活動している学校のドナー(支援者)でもあるという、日本基準でもかなりの富裕層のお宅でした。イースターで集まっていたご家族の中にはiPhoneを持っている人もおり、家も信じられないほど広かったです。

肝心のキノコ栽培は、その広大な「裏庭」に建てられた専用の小屋で行われていました。

ボタンマッシュルームの緻密なロジック

現場を見て驚いたのは、ヒラタケやシイタケとは育て方が全く違うということ、一方で売り方はどこも似ているということです。ヒアリングで得た主な気づきは以下の通り。

  • 温度管理の壁:ボタンマッシュルームは熱を嫌うため、室内を「16〜19度」に保つ必要があります。茅葺き屋根(マクティ)などで冷却効果を高めていますが、カカメガの気候でこれを実現するのは至難の業です。
  • ロングメソッド(発酵):培地を蒸気で殺菌するのではなく、1.5トンもの培地を山積みにして何度も切り返し(Turning)を行う長期発酵法を採用していました。
  • WhatsApp経済圏:最大の販路はやはり「WhatsAppのファーマーズグループ」。農家が「ボタンマッシュルームあります」と投稿すると、瞬時にバイヤーやブローカーから電話がかかってきてマッチングが成立するそうです。

「初心者はとにかく小さく始め、テストをしてから規模を拡大しなさい」
去り際に残してくれた言葉です。農業の現場でもPoCのような考え方があるみたいです。

この2日間で3つの異なる品種の栽培現場を見比べられたことは、今後の事業計画を練る上で計り知れない財産になりました。

粉々のガラスと、「アフリカ」という主語

夜は、ナイロビ近くで活動する同期隊員の家でご飯を食べながら語り合いました。

買い出しに立ち寄ったナイロビのモールの広さや綺麗さ、そして同期の家の設備の良さに、圧倒されました。「だいぶ生活水準違うな」と思わず本音がこぼれます。同じケニアという国にいて、これほどまでに生活の前提が違う。だからこそ、「アフリカでは〜」「ケニアでは〜」といった大きな主語で物事を語ってはいけないと強く自戒しました。

湘北高校のユニホームを着こなす、ケニア人。

しかし、都会の洗練に感心していたのも束の間。同期隊員が忘れ物を届けてもらっていたのですが、中に入っていたガラス製品が見事に粉々に割れていたそう。どうやったらそんなに割れるんだろう……? 生活水準の高さに感心していた直後の出来事だったので、「あ、やっぱりここはケニアだった」と、急に理不尽な現実に引き戻されたような感覚になりました。

屋内遊園地的な?

都会には都会の、田舎には田舎の良さと大変さがあります。都会はモノも情報も溢れていてできることが多い分、「休む暇がない」という悩みを同期は抱えていました。 隊員には、それぞれの場所で、それぞれの苦悩がある。本当に適性がないとキツい仕事だと改めて思います。

それぞれが抱える理不尽や悩みを笑い飛ばし、共感し合える仲間の存在に救われたナイロビの夜。 明日からの英気をしっかり養うことができました。

ロミオとジュリエットみたいな犬。こんなに綺麗な毛並みの犬は、ケニアでほとんど見たことがない。

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