窓の外は、銀世界
最終日前日。 朝、カーテンを開けると、そこには息を呑むような銀世界が広がっていました。
汗ばむほどの残暑から始まり、鮮やかに色づく紅葉の秋を経て、今、雪化粧された冬の訓練所へ。 たった73日間で、移りゆく3つの季節を肌で感じることができた。それは、私たちがここで過ごした時間の濃密さを物語る、とても贅沢な演出のように思えました。

寒さと熱気が交錯する、最後の朝
配送される荷物が積まれた、底冷えする体育館。 そこで行われる、最後の朝の集い。
班長の元気な人員報告の声が、いつもより凛と響きます。
そして、修了式に向けた最後の隊歌練習。 週に一度、何度も歌ってきたこの曲。最初はぎこちなかったメロディーが、今では体の一部のように馴染み、愛おしささえ感じます。
食堂の温もりと、感謝のステーキ
午前中は、赴任前オリエンテーションを3コマ。健康管理や手続きなど、最後の確認を行います。
そして、訓練所での最後の昼食は、ステーキでした。 柔らかくて、美味しい。でも、それ以上に胸がいっぱいになったのは、食堂の方々への感謝です。毎日3食、山盛りのご飯をよそってくれ、朝から元気に声をかけてくれた皆さん。その温かい笑顔と食事が、過酷な訓練を支える何よりのエネルギーでした。本当に、ごちそうさまでした。

講堂に響いた、覚悟の歌声
午後は、外務省の方や議員の方々からの激励を受け、いよいよ修了式、そして壮行会へ。 背負うものの大きさ、期待の高さに、改めて身が引き締まります。「やってやるぞ」という静かな闘志が、体中に満ちていくのを感じました。
式の最後、全員で歌った隊歌。 118人の歌声が、講堂の空気を震わせました。それは単なる合唱ではなく、訓練の終わりを惜しむ寂しさと、それぞれの任地へ向かう強い覚悟が入り混じった、魂の叫びでした。その心地よい響きを、私は一生忘れないでしょう。

最後の夜、家族のような団欒
壮行会での立食パーティーを経て、最後の夜。 往復1時間かけてコンビニへ散歩し、その後は談話室で就寝時間ギリギリまで語り合いました。
他愛もない話で笑い合い、アルバムにメッセージを書き合う。まるで卒業式前夜の学生のような、青くて、熱い時間。ここにあるのは、ただの同期という関係を超えた、「家族団欒」のような安らぎでした。
「またね」「頑張ろうね」。 書き込まれたメッセージの一つ一つが、これから辛い時に私を支えてくれるお守りになるはずです。

明日の夜は、もうここにはいない
明日の夜には、私はもう家にいます。 信じられません。あんなに勉強して、大変で、苦しい瞬間もあったはずなのに。今はただ、この場所の居心地の良さに後ろ髪を引かれ、みんなと別れたくないという気持ちでいっぱいです。
最高の仲間に、出会えてよかった。
雪の静寂と、仲間の熱気に包まれて、訓練所最後の夜が更けていきます。



コメント