【派遣前訓練47日目】「当たり前」の輪郭が、くっきりと見えた日。二本松菊人形と城と。

菊人形 二本松訓練所
二本松訓練所青年海外協力隊

汗と、城と、秋の空気と

今日は土曜日。
今日は久しぶりの外出。目的地は、二本松市内にある二本松城。訓練所からは約10キロの道のりを、生活班のメンバーとジョギングで向かいました。

山道を駆け下り、また登る。気温10℃ほどの冷たい空気が火照った体に心地よく、約2時間、気持ちの良い汗を流しました。意外と近いな、と感じる距離でした。

予想外の、菊人形の魔法

正直なところ、今日の主目的だった「菊人形祭り」には、あまり期待していませんでした。菊人形がどういうものかも、よく知らず、15分も見れば十分だろう、なんて思っていました。

しかし、会場に足を踏み入れた瞬間、その予想は良い意味で裏切られました。
花びらが幾重にも重なり、まるで十二単を纏っているかのような、圧倒的な美しさ。「高貴」という花言葉がこれほど似合う花はありません。こんなにも多様な種類があること、一本の茎から数百輪もの花を咲かせる種があること、そしてその美しさを最大限に引き出すための矯正技術。それは、かつて宮川洋蘭さんで胡蝶蘭の形を整えていた時の記憶を呼び覚まし、美しさの裏にある人の手の温もりと労力に、深い感動を覚えました。

そして、人形そのものも、まさに芸術。
生花だからこそ宿る生命の鮮やかさと、同時に、少しずつ枯れ始めている花もあるという儚さ。たった2週間という、その美しい着物の「寿命」の短さに、言いようのない切なさと、日本的な美意識を感じました。下書きもなしに、花びら一枚一枚で衣装を作り上げていく職人さんの姿は、まるで魔法使いのようでした。かっこいい、、、!

令和7年『第69回二本松の菊人形』の開催について | 二本松市観光連盟
『第69回二本松の菊人形』のご案内 「華やぐ江戸文化~蔦屋重三郎の生きた世~」をテーマに菊人形の場面展示を行います。※毎年ご好評をいただいております福島県菊花品評大会及び二本松菊花品評大会も同時開催!! 第69回二本松の菊人形チラシ[PDF...

石垣に刻まれた、歴史の力強さ

菊人形の余韻に浸りながら、二本松城(霞ヶ城公園)へ。
樹齢300年を超えるという傘松の迫力、そして重厚な石垣。自然の力強さと、人の手による造形美が見事に融合したその姿に、圧倒されました。日本の城の石垣は、世界に誇るべき匠の技です。
大阪城や名古屋城のような華やかさとは違う、落ち着いた雰囲気と、ちょうど良い人の数が、とても心地よかったです。

スーパーマーケットで気づいた、「当たり前」の尊さ

昼食後、私たちは2ヶ月ぶり?となるスーパーマーケットへ。
棚にずらりと並ぶ商品、自由に使える通信環境。訓練所での「非日常」に慣れた身には、その「当たり前」が、眩しく、そして少しだけ懐かしく感じられました。

「音がなくなってはじめて、そこに音があったことに気づく」。 以前、好きなデザイナーの方がそう語っていたのを思い出しました。食洗機の音、換気扇の音、鳥の囀り、自分の心拍音。失われて初めて、その存在の大きさに気づく。

距離をとって初めて、「当たり前」の輪郭がくっきりと見えてくる。 今、この訓練所で過ごす時間は、そんな当たり前の尊さを再認識させてくれる、もしかしたらすごく幸せな時間なのかもしれません。

温かい声援と、繋がる想

今日、道すがら何人かの地元の方とお話しする機会がありましたが、多くの方が協力隊のことを温かく応援してくださっていて、本当にありがたい気持ちになりました。
この理解と応援が、私たちの活動の大きな支えになっていること。そしてその背景には、この地で活動したOV(協力隊OG/OB)の方々の、弛まぬ努力と築き上げてきた信頼があること。そんなことにも、思いを馳せることができました。

日常への感謝を胸に

美しいものに心を動かされ、普段見過ごしている「当たり前」のありがたさに気づき、そして地域の方々の温かさに触れる。今日の休日は、心と体にエネルギーを満たしてくれました。
この感謝の気持ちを忘れずに、明日からまた、語学の勉強を頑張ります。

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