針と糸が紡ぐ、無心の時間
今日も午前中は、いつも通りの語学授業。そして午後は、ワークショップの時間でした。
今日の手芸隊員の方によるワークショップのテーマは「手縫い」。久しぶりに針を持ち、布を縫い進める。ただひたすらに、目の前の一針に集中する。その無心になれる時間が、とても心地よく感じられました。
また、家政改善隊員の同期によるワークショップでは、「双六」を使ってコスト計算を学ぶという斬新な体験をしました。ゲームを通して、楽しみながら、自ら気づきを得る。その見事なワークショップデザインに、感動しました。

見えない壁、「主観文化」と向き合う
語学授業の後は、「多文化共生」に関する講座がありました。 私たちが任地に赴く時、あるいは日本に帰ってきた時にどう異文化に適応していくか、という実践的な内容に加え、現代社会が抱える移民問題やナショナリズムの高まりといった、より大きなテーマにも触れる、非常に示唆に富んだ時間でした。
特に印象に残ったのは、「主観文化」という概念です。 建物の様式のような目に見える文化(客観文化)とは違い、誰も明文化していないけれど、確かにその社会に存在する「空気」や「当たり前」。日本は特に、この「主観文化」を重んじる傾向が強いように思います。だからこそ、異文化を持つ人々が日本社会で生きていく上での難しさがある。ルールを守ること以上に、「空気を読む」ことが求められてしまうからです。
この問題は、技能実習生や難民といった国の制度設計、モスクや教会といった地域での受け入れ体制、そして私たち一人一人の理解や教育、それぞれのレイヤーで向き合わなければ解決しない、複雑な課題です。必要なのは我慢や妥協ではなく、まず「理解」しようと努めること。そして、その「主観文化」を、誰かが丁寧に言語化し、伝えていく必要性を強く感じました。それはきっと、語学を学ぶこと以上に、これからの日本社会にとって大切なことなのかもしれません。
なぜ、その行動をとるのか?科学的に理解する
そして夕食後は、「応用行動分析学」に関する自主講座へ。 人の「行動」には必ず機能(理由)がある。そのメカニズムを科学的に理解することで、効果的に望ましい行動を促すことができる、という学問です。
もちろん、誰かを思い通りにコントロールするためのものではありません。しかし、例えばチームビルディングや教育の現場で、より良い方向へ導くための「意思決定」が求められる場面では、非常に強力なツールになり得ると感じました。先日参加した保育の自主講座の内容とも重なる部分が多く、学びが繋がり、深まっていく感覚がとても楽しかったです。
手縫いの無心から始まり、多文化共生の複雑な構造、そして人間の行動原理へと、思考が巡った一日。 一つ一つの学びが、また新しい問いを生んでいく。この知的な探求が、今はただただ面白いです。

明日でスピーチも納め。頑張ります。


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