「来た時よりも、綺麗にして帰る」
遂に明日、この家を離れる。
今日は、2ヶ月半お世話になった「イノPハウス」の大掃除をしました。
サッカーをやっていた時から、指導者に口うるさく言われてきた言葉があります。「来た時よりも綺麗にして帰る」。この当たり前の感覚が体に染み付いていることに、指導者という立場も経験して改めてサッカーの偉大さを感じます。
約5時間かけてピカピカにした部屋を見て、同居人に「汚すのが怖い」と言ってもらえたのは、最高の褒め言葉でした。
コミュニティに入るための、2つのヒント
掃除の合間には、2つのミーティングに参加し、「コミュニティへの入り込み方」について深く考える機会を得ました。
1つ目は、全国のグローカル生の全体ミーティング。
活動内容は違えど、皆が「信頼」を築くために試行錯誤していたことは共通していました。「お客さん」から「対等な仲間」になるために、一緒に汗を流す。厳しいことも、誠意をもって伝える。そうした地道な積み重ねが、信頼の礎となるのです。
2つ目は、人吉地域の同期隊員の最終発表会。
ここでのキーワードは「”あるもの”をどう活用するか」でした。「地域おこし」ではなく、今あるものを大切にする「地域のこし」。この表現は、深く腑に落ちました。彼らの「愛され力」は、地域への敬意から生まれていたのだと感じます。涙あり笑いありの、ドキュメンタリーの最終回のような素敵な会でした。

気がつけば、僕もコミュニティの一員に
そんなことを考えていた夕方、気づけば地域のおばちゃんたちと1時間も立ち話をしていました。
道端での井戸端会議。都会では味わえない、温かい時間。これも、少しずつ信頼を積み重ねてきた結果なのかもしれません。
そして夜には、サッカーのコーチの方々が送別会を開いてくださいました。活動へのエールと共に、「いつでも三角に帰ってこい」と歓迎してくださる。その言葉が、何より嬉しかったです。
振り返れば、最終日前日にも関わらず、今日お話しした時間のほとんどは、宮川洋蘭さんやイノP以外の方々とでした。
それは、自分なりに色々な場所に顔を出し、一生懸命に地域と関わろうとしてきた結果なのかなと思います。
埼玉の他に、また一つ「帰る場所」ができました。
本当にありがたく、幸せなことです。
コミュニティに入り込むとは、特別なことではないのかもしれません。人吉の同期が教えてくれたように、「ないものをねだる」のではなく、そこにもともと「あるもの」を探し、大切にし、活用すること。掃除のように当たり前のことを当たり前にこなし、相手を尊重し、信頼を積み重ね、そして心をひらいて時間を共有する。そうした日々の小さな積み重ねが、いつの間にか「他人」を「仲間」に変え、ただの「場所」を、かけがえのない「帰る場所」にしてくれる。
この2ヶ月半で得た最大の宝物は、この温かいコミュニティとの繋がりそのものだと、最終日前夜に改めて感じています。
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