午前中は胡蝶蘭を曲げる作業。久しぶりに、その繊細な仕事にぐっと集中力を要しました。 夕方からは、イノPの撮影も担当されている「チームはちどり」の高木さんが主催するワークショップへ。道中、おすすめの草履屋に立ち寄ったり、宮崎名物「辛麺屋 桝本」で腹ごしらえをしたりしながら、会場へ向かいました。

多様な視点が交差する、平和というテーマ
ワークショップのテーマは「平和と戦争」。 「バラバラバンザイワークショップ」という名の通り、参加者は中学1年生からベテランの社会人まで、年齢も性別も、バックグラウンドも本当にバラバラです。
戦争、平和、政治。こうしたテーマは、現代の日本では非常にセンシティブで、公共の場で本音で語り合うことは難しい。かつて存在した「コーヒーハウス」のような、多様な人々が自由闊達に議論を交わす場は、失われてしまいました。 しかし、ファシリテーターの高木さんが作り出す、心理的安全性が担保されたこの空間では、それが可能になります。経験値は違えど、そこに上下はなく、誰もが平等に対話する。
その対話は、一人の男子中学生が放った、純粋で、しかし本質的な問いから始まりました。「”戦争”って、そもそも何だろう?結局、”奪う”ってことじゃないですか?」
その言葉を受けるように、ある社会人の男性が「じゃあ、攻撃された時に無抵抗でいることはできるのか」と問いかけ、議論が深まります。「いっそ、爆撃の代わりに、お菓子を投下したらいいのに」という、切実さすら感じられる言葉も飛び出しました。
そして、主催者の高木さんが、「アメリカの南北戦争は、結果的に奴隷解放に繋がった。ルワンダも、あの大虐殺があったからこそ、今は一つの国として強くなった側面がある。この歴史の皮肉を、私たちはどう考えますか?」と、さらに思考を促します。
絶対的な正解がない、だからこそ対話が重要なのだと、改めて実感した、貴重で素晴らしい時間でした。

それでも、私たちが対話を続ける理由
もちろん、「平和」という壮大なテーマを、この場で数時間議論したからといって、世界に直接的なインパクトを与えられるわけではないでしょう。その無力さは、自覚しています。
それでも、この対話には、計り知れない意味があると私は感じました。一つは、こういう小さな輪を、少しずつ広げ、繋いでいくこと。そしてもう一つは、自分自身が、この無関心な世界によって変えられてしまわないために。
ガンジーは、こう言ったそうです。
「あなたの行動がほとんど無意味であったとしても、それでもあなたはしなくてはならない。それは、世界を変えるためではなく、世界によって自分が変えられないようにするためである」

「当事者」になる前に、私たちが学ぶべきこと
太平洋戦争の終結から、今年で80年。今の日本にも、再び社会の亀裂が見え始めています。 ウクライナやパレスチナ。アメリカもヨーロッパも、あまりに「当事者」に近づきすぎて、もはや戦争を冷静に分析することは難しい。しかし、幸か不幸か、今の日本にはまだ、戦争と距離がある。まだ、間に合う。
当事者になってしまえば、理性で物事を考えることなどできなくなります。だからこそ、少しだけ距離のある「今」だからこそ、私たちは再び悲劇を起こさないために、歴史から学び、一人の主権者としての覚悟を新たにすべきなのだと、強く思いました。
▼過去に私が「平和」について書いた記事
https://note.com/h_yasuo/n/na512d976e7f8?sub_rt=share_sb
思考の熱を、アウフグースで鎮火する
夜は、帰り道にサウナの聖地「湯らっくす」へ。 一日中、頭を使い続けた思考の熱を、アウフグースの熱波で鎮火する。脳が空っぽになるような感覚が、めちゃくちゃに気持ちいい。そして、心身ともに、深く「ととのった」。
熱く考え、そして、熱く癒やす。充実した一日でした。


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