【ケニア派遣86日目】小売100シリングのイチゴとRupa Mallの高級食材。エルドレット市場に見る「二極化」の販路戦略

JICA海外協力隊
JICA海外協力隊ケニア派遣遠征

距離感覚の麻痺と、ケニアの「穀倉地帯」

朝から、ケニア第4の都市「エルドレット(Eldoret)」へ向けて移動しました。

ウアシン・ギシュ郡に位置するこの都市は、標高2,200mという高地にあり、長距離ランナーの高地トレーニングのメッカとして世界的に有名です。トップアスリートが集う「チャンピオンの街」への初上陸です。

私の任地であるマトゥング(カカメガ郡)からは、乗合バス(マタツ)を乗り継いで4時間弱。 「意外と近いな」と感じている自分がいました。赴任当初なら半日がかりの大移動に疲弊していたはずですが、完全に距離感覚が麻痺してきています。

道中、ブンゴマからエルドレットへ向かう景色の中で、大型トラクターやコンバインを使った大規模な機械化農場をいくつも見かけました。

【ネット調査】なぜこの地域は大規模農業が盛んなのか? ブンゴマ郡から、隣接するウアシン・ギシュ郡やトランス・ンゾイア郡にかけてのエリアは、ケニアの「穀倉地帯(Breadbasket)」と呼ばれています。

  1. 肥沃な土壌と気候: 火山灰土壌で地力が強く、降雨量が安定しており、高地特有の冷涼な気候が広がっています。
  2. 歴史的背景: 植民地時代に白人入植者が大規模な農場(White Highlands)を開拓した歴史があり、広大な農地と機械化の基盤がそのまま残されています。
  3. 主要作物: 特にトウモロコシ(メイズ)や小麦の大規模な商業生産において、ケニア国内の食料安全保障を支える重要拠点となっています。

市場(需要)が近くにあるだけでなく、圧倒的な土地の広さと歴史的・気候的な好条件が揃っているからこそのスケールなのだと納得しました。

エルドレット市場の「二極化」と販路戦略

お昼前にエルドレットに到着。とにかく人が多く、賑わいがすごい。キスムよりも活気があるように感じますが、街の綺麗さで言うとキスムに軍配が上がるかもしれません。路上に座り込む虚ろな目の人から、インド系、中国人、欧米人、富裕層まで、大都市ならではのカオスと多様性がひしめき合っています。

早速、メインマーケットを視察しました。お目当ての「イチゴ」を発見。近くの農家から仕入れているそうですが、供給は安定しておらず、クオリティも正直、高いとは言えません。 しかし、「入れば必ず売れる」とのこと。在庫がない日には客から「イチゴはないのか?」と何度も聞かれるそうです。

驚いたのはその価格。小売で1パック100シリング、卸値は50シリングという破格の安さでした。 ナイロビやカカメガの大手スーパーでの価格(約300シリング)と比べると3分の1です。 ローカル市場で売るなら、この薄利多売の価格帯で勝負することになります。利益率などをしっかりと考えた上で、「初期のテスト販売や、少し傷のあるものの売り先」としてローカル市場を活用するのはアリだと感じました。

富裕層向け「Rupa Mall」のポテンシャル

タウン中心部のスーパーには野菜が一切置いてありませんでした。消費者は「野菜は個人商店かマーケットで買うもの」と棲み分けができているようです。マーケットには豆類などの穀物が驚くほど豊富で、逆に葉物野菜は少ない印象でした。

一方で、少し街から離れたところにある「Rupa Mall(ルパ・モール)」は別世界でした。 めちゃくちゃ綺麗で、野菜や食材のバラエティが桁違いです。 キノコ類も、ヒラタケやボタンマッシュルームだけでなく、輸入物のエノキやシメジまであります。ニラ、もやし、豆腐、サーモン、エビなど、任地では絶対にお目にかかれない食材の宝庫。顧客層も身なりが綺麗で、アジア系や欧米人も多数見かけました。

街にはインド系オーナーの綺麗なレストランも多くあります。 クオリティの高い野菜やキノコ、イチゴを作れば、こうした高級モールやアジア系レストランに高単価で直接卸せる(D2C)ポテンシャルが十分にあります。エルドレット、非常に開拓しがいのある巨大市場です。

サッカー環境の「ベースライン」の違い

午後は、今回の遠征のもう一つの目的である「サッカー」へ。
先輩隊員がヘッドコーチを務める地元チームの視察(明日は練習参加)です。

街を回って感じたのは、スポーツインフラの充実度です。 グラウンドが多くあり、至る所で子どもたちがサッカーの練習をしていました。ビブスを着て、コーンを並べ、何よりも「ちゃんとした本物のサッカーボール」を蹴っている。

私の任地マトゥングでは、子どもたちが蹴っているのは「ゴミやビニール袋を丸めて紐で縛った自作ボール」がほとんどです。 同じケニアでも、環境のベースラインがここまで違うのかと少し衝撃を受けました。 先輩隊員は「頭を使ってサッカーをすること」を教えるのに苦労しているそうですが、明日、彼らと一緒にピッチに立ち、そのレベル感を肌で感じるのが楽しみです。

夜の本格中華で癒される

夜は、先輩に連れられて中華料理屋さんへ。
少し分かりにくい場所にありましたが、中国人が経営する「ガチの本格中華」でした。

入店早々、中国語で話しかけられて焦りましたが、味は日本でもなかなか食べられないレベルのクオリティ。めちゃくちゃ美味しかったです。 ケニアのローカル価格からすれば高めですが、ナイロビや日本に比べたらとても良心的。心も胃袋も満たされた、最高の夜になりました。

明日は、高地でのサッカー練習で酸欠にならないよう頑張ります!

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