【ケニア派遣76日目】崩壊したイチゴの屋根と「10秒切り替え」。焦りの中で見つけたサバイバル術

JICA海外協力隊
JICA海外協力隊Kakamegaケニア派遣

データ分析と「甘さ×食感」のインサイト

今日からまた新しい1週間が始まります。

特段足取りが重いわけでもなく、淡々と日常がスタートしました。

朝は電気が無事に通っていたので、KALRO(ケニア農業畜産研究機構)が調査した過去のマーケットデータをダウンロードし、グラフを作り直す作業に取り掛かりました。 週末に停電でできなかった作業です。 先週、実際にマーケットやスーパーを歩き回って重要性を感じた「客層」「売り手」「棚の陳列」といった定性的な肌感覚と、この定量的な価格データを掛け合わせて、複合的な戦略を練っていきたいと思います。

出勤後、週末に作った加工品の試作(ジャムやマンダジ、ウガリ煎餅など)を事務所の同僚たちに振る舞いました。 結果は、大喜び! 特にジャムの反応が良く、やはり彼らは「甘いもの」が好きなようです。 一晩経ってウガリ煎餅が湿気てしまったのは残念でしたが、「甘くて食感があるもの」が好まれるというシンプルな仮説が立ちました。単純ですが、商品開発において非常に重要な要素になる気がします。

お気に入りのホテル(食堂)の一つ。現在はラマダン中のため閉じています。

崩壊したイチゴの屋根

午前中、イチゴの経過観察へ畑に向かいました。 しかし、畑が近づくにつれて嫌な予感が。そして、その違和感は的中しました。

屋根が、ぶっ壊れていました。

昨日の大雨にやられたようです。 お金を払ってFundi(職人)に作ってもらったはずなのに、なぜ水がはけない構造になっていたのか。なぜこんなに耐久性のないフレームにしたのか。謎しかありません。 同僚も「仕事が適当だね」と呆れていました。

苗は風前の灯火のような状態です。 ほとんど死にかけていますが、よく見ると新しい芽も少しだけ出てきている。根っこは死んでいない。 明日、フレームを補強して直す予定です。今日できることは、材料を買うことと、これ以上雨が降らないように天に祈ることだけです。

——そして奇跡的に、この1週間で初めて、今日は雨が降りませんでした。祈った甲斐がありました。どうやら天はまだ、このイチゴたちを見放してはいないようです。

なんかボロボロ。

チーズの感動と「10秒切り替え」

午後からはカカメガタウンへ。 ナイロビから出張で来られたJICA専門家(農業省配属)の方とランチへ行きました。 ケニア人の感覚や農家の実態など、長くこの国にいる大先輩から非常に貴重なお話を伺うことができました。

そして何より、ご馳走になったご飯が最高でした。 ピザ、そしてマッシュルームソースのチキン。 ケニアに来て初めてチーズを食べた気がします。「マジでうまい……」。 マッシュルームなんて普段の生活ではほとんど見かけませんが、メニューの推しとして成立しているということは、一部の層には確実に売れているということ。この美味しさを噛み締めながら、ケニアの一般層の食文化の乏しさと、その先にあるポテンシャルについて考えさせられました。

美味しすぎました。

美味しいものと、日本人の先輩。元気が出ました。

最近、私のメンタルは割と安定しています。 それは「10秒切り替え」を覚えたからです。

イチゴの屋根が壊れた時もそう。10秒くらい考えて、「どうしてこうなったんだ」という感情はサッと捨てる。そこから「事実」と「学び」だけを抽出して切り替える。そして今できることを考える。考えても過去は変わらないし、悩む時間は無駄。
自己啓発のように聞こえるかもしれませんが、これは異文化で生き抜くための、ただのサバイバル術です。

SNSのキラキラと、焦りの正体

夜は、毎週恒例の同期隊員3人での「1週間の振り返り会」。
それぞれの活動方針や悩みを共有します。

SNS上では、みんなキラキラして楽しそうに見えます。でも、いざじっくり話を聞いてみると、自分とは違うベクトルで、めちゃくちゃ深く悩んでいる。みんな、泥臭くもがいている。

正直、色々試してはいるものの、私はまだ「ビビッときて注力したいもの(コアの活動)」がバシッと定まっていません。 やりたいことを見つけて突き進んでいる先輩や同期を見ると、焦る気持ちがないと言えば嘘になります。 「みんなやりたいこと見つけてるじゃん……(汗)」

でも、この焦りは悪いものではないはずです。 悩みや焦りを共有し、協力し合いながら、そして時には密かに競い合いながら。明日もまた、私の「やりたいこと」を探すために、淡々と歩みを進めます。

椅子のクッションを買ってきて、ソファが完成しました。快適だ。

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