【ケニア派遣73日目】「事実より納得感」で売れるスパイス。ムミアスとブンゴマで市場のリアルを歩く

JICA海外協力隊
JICA海外協力隊Kakamegaケニア派遣

ボス不在の朝と「土曜日の教会」

昨日ストップをかけられたマーケット調査についてボスと話すつもりでしたが、ここ2日間、彼女は事務所に現れません。午前中は一人で事務所に残り、来客対応をこなしました。

本題については担当者に電話を繋ぎつつ、待っている間は雑談で場を繋ぎます。 色々と話が弾み、明日の土曜日、彼が通っている教会へ連れて行ってもらうことになりました。

【調査】土曜日に行く教会「Seventh-day Adventist(SDA)」 プロテスタントの一派であるセブンスデー・アドベンチスト教会。最大の特徴は、一般的なキリスト教が日曜日を礼拝日とするのに対し、聖書の教え通り「第七日(土曜日)」を安息日(サバト)として礼拝を行うことです。 ケニアでも広く信仰されており、健康原則(豚肉やアルコール、カフェインを避けるなど)を重んじることでも知られています。

マーケットにて、スパイス屋の「納得感」

事務所にいてもやることがないので、午後は自主的に市場調査へ。買い出しも兼ねて、ムミアスと、隣のカウンティ(郡)の中心都市であるブンゴマを見て回ることにしました。 ブンゴマは住居から30〜40分ほど。スーパーや銀行もしっかりあり、かなり便利な街です。

たくさんある石。これは食用です。
特に妊婦産などが鉄分摂取のために齧ります。

基本的な野菜やフルーツの品揃えと価格は、どのマーケットも大差ありません。 しかし、ムミアスで顔馴染みになった人の店には、タンザニア産の「スパイス」が山のように売られていました。

聞けば、金曜日のマーケットでは「シナモン(1パック100シリング)」だけで1日に20パックも売れるとのこと。次いでスターアニス、クミンが人気。 なぜそんなに売れるのか? 答えは「チャイ」の文脈でした。飲むチャイに入れるスパイスとして、日常的に消費されているのです。

また、「スターアニスは高血圧に効くんだ!」と言って買っていく人も多いそう。 店主が見せてくれたYouTube動画は胡散臭さ満載で、医学的な事実は怪しいものでした。 しかし、ここで重要なのは事実よりも、消費者の納得感です。 「健康に良いらしい」というストーリーが購買行動を生んでいる。シナモンを一から栽培するのは難しいですが、毎日必ず飲むチャイの周辺を攻めるアプローチは、今後の商品開発のヒントになりそうです。

スーパーの「暗い棚」に置かれるベリー

ブンゴマでは、スーパーの青果担当者にもヒアリングを実施。
「ローカルからのサプライ(納入)はいつでも受け付けているよ」と前向きな回答を得ました。

しかし、売り場を見て現実を悟ります。イチゴとブルーベリーが置かれていましたが、場所は棚の右上。照明も薄暗く、全く目立ちません。 担当者曰く「昨日はイチゴが1パック売れたけど、だいたい1日0〜2個だね」。 なかなか厳しいです。

同じスーパーでも客層は違います(売るならNaivasというスーパーになりそうです)。 しかし、この地方都市でナイロビのように「生のまま高価格」で売るのは至難の業でしょう。 スーパーの棚に置くよりも、「ケーキ屋にトッピングとして卸す」か、「手作りジャムにしてマーケットで手売りする」方が、確実に売上につながる気がしました。現場を歩き、売り場を見ることでしか得られない解像度です。もう少し見て回ろうと思います。

待ち時間と、ずぶ濡れの職人

帰りのマタツ(乗合バス)は、相変わらず人が揃うまで出発しません。待っている間、人が乗ってくるたびに「ありがとう、乗ってきてくれて……!」と、その人を好きになりそうな感情が湧き上がります(笑)。

ガソリンの量と額の記録。結構ちゃんとしていた。

夕方は、家具職人(Fundi)の元へ完成した家具を取りに行きました。 オーナーを待っていると、突然の雷雨。 屋根が壊れるのではないかと思うほどの土砂降りの中、オーナーがビッチョビチョのずぶ濡れで現れました。さすがに笑ってしまいました。

お金を払い、領収書はもらいましたが、雨がすごすぎて家具を運ぶのは断念。
明日に持ち越しです。

マタツの出発待ち、大雨の雨宿り。今日は「待ち時間」が非常に多い一日でした。
でも、そのおかげで持っていた本を読み進めることができました。

予定通りに進まないケニアの時間を、「読書の余白」として楽しめるようになってきた。
そんな自分の変化を感じる、悪くない1日です。

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