【ケニア派遣63日目】60年後の成果とは。「種を蒔く」協力隊の役割と、ナイロビで見つけた高品質なケニア製品

JICA海外協力隊
JICA海外協力隊Kakamegaケニア派遣

60年という月日と、草の根外交

今日は朝から、JICAボランティア事業60周年記念式典へ。

会場はナイロビの豪華ホテル。 現役隊員だけでなく、ケニア在住のOB・OG、カウンターパート、そして政府関係者まで、想像以上に多くの人々が集まっていました。 軽食や飲み物も振る舞われ、その規模感に「60周年」という歴史の重みを感じます。

式典では、様々な方が協力隊の意義や成果について語られていました。 正直、それらは定量的に測れるものではないかもしれません。けれど、「草の根外交」として二国間の信頼関係を築く上では、大きな役割を果たしています。

一方で、ふと冷静な視点も顔を出します。 「60年経っても、まだこれだけの協力が必要な国である」という現状はどうなのだろうか。 何も変わっていないのか、それとも形を変えて続いているのか。 支援のあり方について、少し複雑な思いも抱きました。

30年後に芽吹く種

そんなモヤモヤを晴らしてくれたのは、あるOBの方のお話でした。 30年前、隊員として支援していた現地の方が、今では行政組織の重役になっていて、この会場で再会を果たしたそうです。

その光景は、純粋に素敵でした。 2年間という任期中には目に見える成果が出なくても、私たちが蒔いた種は、10年後、20年後に意外な形で芽吹くのかもしれない。 もちろん、私はこの2年で成果を出すつもりで活動しますが、「変化の種を蒔く」という長期的な役割もまた、協力隊の本質なのだと感じました。

地域に溶け込む「Bondeni Sports」の理想像

現役隊員の活動発表も刺激的でした。 特に印象に残ったのは、エルドレットで「Bondeni Sports」というサッカーチームを運営している先輩隊員(現地名:コーチ・キプトゥ)の話。

彼は単にサッカーを教えるだけでなくビジョンのもと、持続可能なエコシステムを構築していました。

  • 収益化の仕組み: 寄付に頼りきりになるのではなく、オリジナルグッズ(Merch)の販売やチケット収入などで資金を作り、チーム運営に回す。
  • 社会課題へのアプローチ: ドラッグに走りそうな子どもたちにスポーツという「居場所」を提供し、さらに植林や清掃活動などの環境活動も行う。
  • 徹底したローカライズ: 完璧なスワヒリ語を操り、ウガリを手で食べ、現地の時間を守ることで、地域住民からの絶大な信頼を得ている。

「彼のおかげで日本人の印象が変わった」とカウンターパートに言わしめるほどの信頼。 地域への深い溶け込み(ローカライズ)と、日本人ならではの規律や運営能力(バリュー)の発揮。 まさに理想的な活動モデルでした。自分も負けていられないと、背筋が伸びます。

Bondeni FC

「KESTES」がつなぐ教育のバトン

式典の後は、「KESTES」の総会へ参加しました。

【調査】KESTES(ケステス)とは? 正式名称:Kenya Student Education Scholarship(ケニア生徒教育奨学金)。 1982年にケニア派遣の協力隊員有志によって設立された、伝統ある奨学金支援団体です。 成績優秀でありながら、経済的な理由(親の病気や貧困など)で高校進学や継続が困難な生徒に対し、学費の支援を行っています。資金は隊員やOB、賛同者からの寄付で賄われており、まさに「顔の見える支援」として30年以上続いています。

会計報告や支援学生の近況を聞き、想像以上にしっかりとした組織運営がなされていることに驚きました。 このプラットフォームを使って、私の活動でも何か連携できそうな予感がします。 30年続く「思い」のバトン。ここにも、協力隊のタテとヨコの強固な繋がりを感じました。

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ナイロビの夜と、「売れる」品質の正体

夜はJICA関係者や先輩隊員との懇親会へ。 会場は「GOCHI」。若い日本人シェフが腕を振るう日本食レストランです。 オーナーだけでなく現場にも日本人がいるお店は珍しく、味も抜群に美味しかったです。

また、店内に併設されたセレクトショップでも色々と発見がありました。価格帯は日本と変わらないレベル。ターゲットは大使館関係者や駐在員などの富裕層です。
驚いたのは、そこに並ぶ服のクオリティ。 基本はケニア人による縫製なのですが、街の露店で売られている伝統衣装とは雲泥の差でした。 縫い目は均一で、糸の始末も完璧。「隙」が見当たりません。

どうやら欧米人のマネージャーが入り、徹底的な品質管理を行っているようです。 「適切なマネジメントがあれば、ケニアでもここまでの製品が作れる」 そして、「クオリティさえ高めれば、ナイロビでは高価格でも売れる」

この事実は大きな希望です。 「ケニア製=安かろう悪かろう」ではない。 市場のポテンシャルと、技術の可能性。 美味しい日本食と共に、活動へのヒントをたくさん持ち帰った夜でした。

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