停電と、腐った牛乳の洗礼
昨夜からずっと停電中。水も電気もない。
でも、私は生きています。ここで生活している人がいる以上、なんとかなるものです。
朝、牛乳を飲もうとしたら腐っていました。 一昨日から常温に置いていたので当然の報いです。口に入れた瞬間の強烈な臭さと不味さに、反射的に吐き出しました。やはり牛乳は冷蔵保存が必須。冷蔵庫が手に入るまでは、買うのを控えるという学びを得ました。
遠慮は無駄。「ガツガツ」いく仕事術
事務所に向かう時間は日に日に遅くなり、今日は9時過ぎ。 それでも、到着するのは私が一番乗り。10時前くらいに人がぼちぼち来始めます。
昨日共有した資料、ボスは読んでくれていませんでした。
「まあ、そんなものか」と腹を括り、ボスの部屋に入ってその場で読んでもらい、話をしました。
ここに来て痛感したのは、「遠慮していては何も動かない」ということ。日本では美徳とされる慎み深さも、ここではただの停滞です。恥をかいても失敗してもいい。もっとガツガツいこうと決めました。
「リンゴ」ではなく「ベリー」を
話してみて分かったのは、彼らが「やったことのないこと」に対して非常に後ろ向きだということです。
私の提案のメインは「リンゴ」でした。 ケニアの気候に合った品種があること、スーパーでは入り口に平積みされていること、しかしその全てが高価な輸入品であること。 だからこそ挑戦の価値があると考えましたが、ボスの反応は「んー」と渋いものでした。
一方で、反応が良かったのは「ベリー系」の話。 実際に地域でやっている人がいて、成果が出ている。「こんなフルーツもあるよ」と、ゴールデンベリー(ホオズキ)、マルベリー(桑の実)の話になると会話が広がりました。
「新しいことを始めるよりも、今あるポテンシャルを最大化する」
彼女たち自身が気づいていないアセット(資産)に気づかせ、そこを伸ばす方が、今のフェーズでは有効なのだと感じました。 リンゴに関しては、勝手に自分でやってみて成功例を作るのが早そうです。
【補足】ケニアのリンゴ事情 ケニアのスーパーで見かけるリンゴの多くは南アフリカやエジプトからの輸入品で、1個30〜50シリング(約30〜50円)と、現地の物価からすると高級品です。近年はケニア原産の「Wambugu Apple」なども登場していますが、まだ一般的ではありません。

有機栽培のストロベリー・レディ
その足で、実際にイチゴやゴールデンフルーツを栽培している農家さんの元へ連れて行ってもらいました。 まだ市場に供給できる量ではありませんが、彼女の取り組みは本格的でした。
- 完全有機栽培
- バーミコンポスト(ミミズ堆肥)の活用
- コーンガーデン、パーティカルガーデン、ハンギングガーデンなど多様な栽培方法の実践

一方で、「どうやって売るのか」、生産のその先には困っていると話していました。協力できることがありそうです。
特にイチゴはランナー(蔓)で増やしやすいメリットがあるので、まずは栽培環境を整えるところから。この方とはぜひ一緒に活動したいので、足繁く通うことにします。
【用語解説】バーミコンポスト(Vermicompost) ミミズ(Earthworm)を使って生ゴミや有機物を分解させ、堆肥にする農法。ミミズの糞や尿が含まれた土は栄養価が高く、ケニアのような肥料が高騰しやすい地域では非常に有効な技術です。

聞き取れない会議と、大豆の可能性
午後は事務所に「Livelihood in light of climate change(気候変動を考慮した生計向上)」というプロジェクトの担当者が来訪。 会話は一ミリたりとも英語が使われず、録音して後からAI翻訳で解析しました。
どうやら彼らは、「Bread for the World」という団体の資金で、栄養改善や農業指導を行っているようです。 会話から見えてきたのは、以下のポイント。
- 大豆(Soya)の活用: 子供の栄養失調対策として、大豆をマイス(トウモロコシ)と混ぜて粉にするレシピなどが共有されていた。
- 4K Clubへの支援: 地域の小学校にある農業クラブ「4K Club」への活動支援を行っているが、名簿管理などに課題がある。
大豆といえば、日本人の代名詞のようなもの。加工やレシピならいくらでもアイデアが出せそうです。 また、学校の「4K Club」には今後私も関わっていく予定なので、このプロジェクトの流れに乗って協力できればと思います。
【調査】4K Clubとは? ケニアの学校における農業クラブ活動。「Kuungana(団結)、Kufanya(実行)、Kusaidia(支援)、Kenya(ケニア)」の4つのスワヒリ語の頭文字をとったもの。若者の農業離れを防ぎ、農業技術を学ぶ場として、近年ケニア政府が再活性化に力を入れています。
100シリングの定食と、血小板ちゃん
今日、一番しっくりくる食堂を見つけました。 この街には無数の食堂がありますが、お気に入りを2箇所発掘。 どこで食べても100シリング(約100円)以下。自炊より安いレベルです。利益が出ているのか心配になりますが、消費者としてはありがたい限り。

そして今日、一番面白かったこと。 道端のおじさんが、あのアニメ『はたらく細胞』の登場人物「血小板ちゃん」の帽子をかぶっていました。
「あのね あのね」
脳内でキャラの声が再生されました。 どういう経緯で、このアフリカの田舎町にその帽子がたどり着いたのか。 そのオリジンを知らずに、厳ついおじさんが「血小板」を頭に乗せているシュールさ。 思わず二度見してしまいましたが、こういう予期せぬカオスがあるから、この街の散策はやめられません。



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