開発のリアル、「お金」と「トップダウン」
今日は久しぶりにJICA事務所での講座でした。
最初は、ケニア政府と連携して「保護司」制度を導入するプロジェクトに携わるJICA専門家の方からお話を伺いました。
日本で保護司といえば無給のボランティアですが、ここケニアでそれを定着させる道のりは想像以上に険しいようです。 再犯率の増加や、収容施設の限界(脱施設化)という課題に対し、地域社会での更生保護は急務です。しかし、立ちはだかるのは「トップダウン」の壁と「お金」の問題。
中央集権的な構造が強く、現場は上からの指示がないと動けない。 そして何をするにしても、「実費を出せ」「手当をくれ」という要求が飛んでくる。 ここでJICAが全てのお金を出してしまえば話は早いですが、それでは「JICA依存」になり、支援が終われば何も残らない。自分たちでコストを負担させる構造を作らなければ、真の自走はあり得ません。
「1年かけて調査し、ようやく選出まで辿り着く」。 その気の遠くなるような交渉と説得のプロセスこそが、異国で「開発」という仕事に関わるということなのだと、深く学ばせていただきました。
「逃げろ、相談しろ」所長からの金言
次は、JICAケニア事務所長による講話がありました。30年前に協力隊員として活動されていた大先輩でもあります。米プロジェクトの失敗談から養鶏プロジェクトへのピボットのエピソードなど、語られる言葉はどれも実践的で、温かいものでした。
特に心に響いたのは、「悩みと向き合うこと」と「逃げる勇気」の話です。 時間は山のようにある。タスクに忙殺されない日々の中で、「自分はここにいていいのか」と悩むこともある。でも、そのストレスと向き合うことこそが協力隊の醍醐味であり、中長期的に見て自分の糧になる。
一方で、健康と安全は何よりも優先されるべき。「絶対にやるべきこと」なんてない。プレッシャーに押し潰されそうになったら、逃げてもいいし、相談してもいい。 「一人の時間を大切にする」というアドバイスも、集団生活が続く今、とても腑に落ちました。
まだ若手の私ですが、今できないことでも、自分のアセットや伝手を駆使して挑戦してみる。
そんな「突破力」を持って、活動に臨みたいと思います。
ローカル食堂で計算する、ビジネスの数字
お昼は、近くのローカル食堂へ。 今日はものすごい活気で、席は満員状態でした。 混み合う店内で、つい職業病が出てしまいます。席数、回転率、推定客単価、営業時間から売上を予測し、人件費や材料費を引いて利益を計算する…。こういう人間観察(店舗観察?)も、人が多い場所ならではの面白さです。 もちろん、味のクオリティも高く、しっかりエネルギーをチャージしました。

プリ・スタートダッシュへ
明日からは、いよいよ「任地訪問」が始まります。 これから2年間住む家を探し、配属先の事務所に挨拶に行く、いわば「プリ・スタートダッシュ」のような期間です。
生活費を両替し、冷蔵庫の食材も使い切り、ナイロビでの準備は整いました。 正直、事務所に行っても人がいるかどうかさえ分かりませんが(笑)、先輩方の教えを胸に、良いスタートラインに立てるよう、まずは元気よく挨拶から始めてきます!



コメント