【ケニア派遣23日目】標高1800mの初蹴りと、言葉の裏側にある「定義」。

JICA海外協力隊
JICA海外協力隊ケニア派遣ナイロビ研修

2026年、ナイロビの空の下で

2026年が明けました。
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

ケニアの澄み渡る空の下、新たな一年が始まります。「頑張るぞ」という力強い決意と共に。

酸欠の初蹴りと、ボールの魔法

新年の始まりは、サッカーから。ナイロビ在住の日本人の方々が集まる「初蹴り」に参加させていただきました。商社の方やJICA関係者など、様々なバックグラウンドを持つ人々が隔週で集まっているそうです。

久しぶりに思い切り走って、ボールを蹴る。最高に楽しい時間でした。
しかし、ここは標高約1800mの高地。照りつける日差しと薄い酸素に、肺が悲鳴を上げ、倒れそうになるほどの過酷さも味わいました(笑)。

途中からは、ケニア人の子どもたちも混ざっての試合に。
結果はもちろん、大人の力を見せつけてボコボコにしましたが(手加減なし!)、ボール一つで言葉の壁を超え、こんなにも仲良くなれる。スポーツが持つ魔法を、改めて肌で感じました。

任地に行っても、この魔法を武器に信頼関係を築いていけたらと思います。

透き通る出汁と、新年の宴

夕方からは、大学院に通いながらケニアでフィールドワークを行っている日本人のお二人を招いて、新年会を開催しました。振る舞ったのは、手作りのお雑煮。

透き通った出汁のスープ。器の底が見える美しさ。
油を多く使うケニア料理も美味しいですが、この繊細で澄んだ味わいは、日本人のDNAに染み渡ります。やっぱり、こういうのが一番。日本人のDNAがそう叫んでいました。

「言葉」の裏側にあるものを聴く

美味しい食事と共に交わされたのは、非常に刺激的な会話でした。 ケニアの教育現場におけるステークホルダーの力関係や、エリート層の海外留学事情など、フィールドワークならではの興味深い話が続きます。

その中で、特にハッとさせられた問いがありました。
「ケニア人の言葉で、印象に残っているものはありますか?」

一見、学校の講演会で出るようなシンプルな質問です。
しかし、その背景には質問者自身の強烈な原体験がありました。 1年半ぶりに再会したケニア人に「どうだった?」と尋ねた時、返ってきたのは「人生は進んでいる(Life goes on)」といった類いの言葉だったそうです。日本人なら、その期間の出来事や目標の達成度を語るところを、彼らはただ「生きて、進んでいる」こと自体を語る。そこに、生き方の根本的な違いを見たといいます。

その質問に対する回答は「ボランタリー活動が辛い」と語る生徒の話でした。 私たちにとって「ボランティア」は自発的なものですが、彼らにとっては「やらなければ家にまで押し寄せられる強制的なもの」だったのです。

同じ「言葉」を使っていても、その裏にある定義や背景、見ている景色は全く違う。
私たちはつい、相手の言葉を自分の経験則というフィルターを通して解釈してしまいがちですが、意識的にそのフィルターを取り払わなければ、本当の意味での理解には到達できない。
お2人の会話を通して、「言葉」について考えるという問いの奥深さを感じました。

「問いを立てる力」が、相手のクリエイティビティや本音を引き出す。
語学力で苦労している場合ではない。
言葉のその先にあるものを捉えるために、もっと感性を磨かなければならないと、強く背中を押された夜でした。

よく話し、よく食べ、よく笑った元日。 今年も、間違いなく良い一年になりそうです。

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