【ケニア派遣21日目】塀の中の教室で響く日本語と、先輩から受け継ぐバトン。

ケニアの更生学校 JICA海外協力隊
JICA海外協力隊ケニア派遣ナイロビ研修

3週間目の焦りと、計画作り

日本を出発してから、早くも3週間が経過しました。 あまりの時間の速さに、少し焦りさえ感じています。早く任地へ行き、活動を始めたい。しかし、ケニア事務所は年末年始の休みが長く、はやる気持ちを抑えなければなりません。

でも、この長い休みがあるからこそ、できることもあります。 ここ数日は、任地に行ってからの活動計画やToDoリストをじっくりと作成していました。焦燥感を、準備へのエネルギーに変えていきます。もちろん不確定要素は多いですが、、、

雨降った後はいつもこんな感じ。

更生学校で見た、社会復帰への道

本日は、農業隊員として活動する先輩の配属先である「更生学校」を訪問しました。 ここは、犯罪を犯した若者や子供たちが、社会復帰のために職業訓練を受ける場所です。

建築、電気、芸術、そして農業。様々なコースがあり、彼らが手に職をつけるための環境が整えられています。 しかし、生徒の姿はまばらでした。話を聞くと、コロナ禍以降、入所の手続きや裁判のプロセスが滞っており、ここに来るべき若者たちがたどり着けていない現状があるそうです。 今日出会った一人の青年は、とても感じが良く、真っ直ぐに将来を見据えていました。彼のような若者が、一人でも多く社会で輝ける場所であってほしいと願わずにはいられません。

はられているのは、コンポストや堆肥、苗床などの作り方。(隊員の方が作成)
生徒は各人に振り分けられた畑で実践しながら学んでいくみたいです。

海を越える「アスタ」の魔法と、日本語熱

驚いたのは、職業訓練の一環として「日本語」を教える講座があったことです。 そして、ケニアでは今、日本語検定を受ける人が急増しているとのこと。

その背景には、日本のアニメ人気があります。特に『ブラッククローバー』が大人気で、最終プレゼンが漫画の話題ばかりになることもあるとか。 魔法がすべての世界で、魔法が使えない主人公アスタが「諦めないのがオレの魔法だ!」と叫び、頂点を目指す物語。その姿は、逆境の中にいる彼らの心に強く響くのかもしれません。

黒板の内容を見る感じ、「唐辛子はいくらですか?」を勉強していました。

ビザと「戦力」としての日本語

また、日本語学習熱の裏には、切実な事情もあります。 近年、日本のビザ申請、特に就労に関わる要件は厳格化の傾向にあります(現地では政権交代の影響とも噂されており、もちろんそれも加速要因にありますが、実際には「育成就労制度」などの導入により、より確かな日本語能力と技能が求められるようになっているようです)。

しかし、それは裏を返せば「しっかりと日本語が話せて、戦力になると認められれば、長期滞在も可能になる」ということ。 単なる労働力としてではなく、スキルと言語を持った「人材」として日本へ行く。そのための切符として、日本語学習があるのです。 日本語は世界でも屈指の難言語ですが、アスタのように諦めず、その切符を掴み取ってほしいと心から思いました。

先輩から受け継ぐ、知恵とバトン

今日訪問した先輩隊員は、残り20日で任期満了とのこと。 帰国を前に、生活用品を譲り受けるとともに、現地にあるもので作る液肥や、学校で作ったソーラーパネルなど、活動のヒントもたくさんいただきました。

「これ、自分の活動にも使えそうだな」。 先輩が試行錯誤して残した知恵のバトンを、しっかり受け取りました。

明日は我が身、健康第一

本日、同期の中で2人目の体調不良者が。高熱だそうです。 他のメンバーも腹痛に悩まされる人が増えてきました。「ナイロビの比較的清潔な環境で、かつ仲間が横にいる今でよかった」という切実な声に、深く頷きます。これが任地で一人きりの時だったらと思うと、ゾッとします。

幸運にも私はまだ元気ですが、明日は我が身。 しっかり食べて、しっかり寝る。
焦る気持ちもありますが、まずは健康第一で、この準備期間を乗り切りたいと思います。

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