【ケニア派遣14日目】銀行で見つけた「感動」の定義と、最奥地への戦略。

JICA海外協力隊
JICA海外協力隊ケニア派遣ナイロビ研修

銀行の待合室で見えた、ケニアの階層

午前中は、銀行口座の開設手続きへ。
作業量自体はそれほどでもないのに、午前中を丸々費やしてしまうのも、こちらの時間感覚ならではのご愛嬌でしょうか。

私たちが口座を開いたのは「NCBA」という銀行。主に商取引を扱う銀行らしく、行内の客層やスタッフは、パリッとした洋服に身を包み、自信に満ちた表情で仕事をしています。勝手な想像ですが、海外の大学を出ているようなエリート層なのかもしれません。 一方で、ケニアにはKCBやEquityといった、農家など個人向けのメガバンクもあります。そこにはまた違った空気が流れているのでしょう。

服装、髪型、顔つき。言葉にするのは難しいですが、ここナイロビでは、経済的な階層の違いが視覚的にくっきりと現れる瞬間があります。

特別な顧客体験とは?ホワイトボードの教え

そんな銀行の会議室で、ふとホワイトボードに書かれた言葉に目が留まりました。 日本の接客業では当たり前かもしれませんが、ここケニアで、そしてこれからの私の活動においても、非常に示唆に富んだ言葉でした。

What does an EXTRA ordinary customer experience look like?
(“特別に素晴らしい”顧客体験とは、どんなものだろうか?)

  1. KNOW YOU – ANTICIPATING YOUR NEEDS
    (あなたを理解している ― ニーズを先回りして察知する)
  2. BACK YOU – ACTUALIZING DREAMS
    (あなたを支える ― 夢を実現させる)
  3. WOW YOU – HYPERPERSONALIZED SERVICE
    (あなたを驚かせる ― 超・個別最適化されたサービス)

相手を知り、夢を支え、驚きを提供する。 これは銀行業務だけでなく、私たち協力隊が現地の人々と関わる上でも、目指すべき「信頼」の形そのものだと感じました。

「新規」隊員としての、生存戦略

午後は、担当VC(ボランティアコーディネーター)との面談がありました。 私の任地は、最寄りのスーパーまで車で片道1時間という、正真正銘の「奥地」。しかも、配属先はJICAのことをよく知らない「新規」の案件です。

何もないところから、どう活動を立ち上げるか。いただいたアドバイスは非常に実践的でした。

基本は「Pole Pole(ゆっくり)」な人々の中で、畑を見れば分かる「ハングリーな農家」を見つけること。 広すぎるエリアをカバーできない農業事務所の現状を理解し、まずは小さく、深く、やる気のある「精鋭」たちと活動すること。 肥料の販売やレコードキーピング(記録管理)など、貢献できる業務に積極的に関わり、「あいつはすごい」という小さな権威(信頼)を積み重ねること。

スーパーの野菜部門のマネージャーに直接売り込みに行くくらいの気概で、自分で道を切り拓いていく。 そんな泥臭い戦略(アドバイス)の数々に、武者震いするような興奮を覚えました。

街の熱気と、安全管理のリアル

研修後は、楽器を買いたいという同期に付いて街へ繰り出しました。 楽器屋には意外にもしっかりとした品揃えがありましたが、夕暮れ時の通りは人も多く、独特の緊張感が漂っていました。特に女性陣は声をかけられる頻度も高く、安全管理講座で言われた「男女でのリスクの違い」を肌で感じました。

洗練された銀行と、熱気とリスクが隣り合わせのダウンタウン。そしてこれから向かう奥地の村。 様々な顔を持つこの国で、明日はいよいよ年内最後の講座です。 良い締めくくりができるよう、気を引き締めて臨みます。

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