デモクラシーの熱源と、多民族国家のリアル
今日は一日、JICA事務所でのブリーフィングでした。
午前中は制度やインフラの説明に加え、ケニア人スタッフによる安全管理講義がありました。
特に印象的だったのは、2027年の大統領選挙を見据えた政治情勢の話です。日本とは異なり、国家元首を直接選出する大統領制を採用しているケニア。だからこそ、国民一人一人の政治への関心や当事者意識は非常に強く、それが時に暴動という形で噴出することもあるそうです。
暴力やデモは、表現のあり方としては「デモクラシーの失敗」なのかもしれません。しかし、それがここの現実です。さらに、多民族国家ゆえの分断の起きやすさ。単一民族で議会制民主主義をとる日本とは、社会のOSが根本から異なります。アメリカに近いようでいて、決して一緒くたにはできない複雑さ。
大学でポリティカルサイエンスを学んだ身として、この国の政治動向は非常に興味深いです。もちろん、私たちはあくまで「第三者」。政治的な立場は持たず、安全を最優先に、冷静にこの国の行方を注視していきたいと思います。

「ケニアの丸の内」でのランチタイム
お昼は、JICA事務所近くのローカル食堂へ。
外観はトタン屋根のようないかにもローカルな雰囲気ですが、中に入って驚きました。
食事をしているのは、全員パリッとしたシャツにネクタイを締めたビジネスマンたち。

高層ビルが聳え立つオフィス街の真ん中にあるこの食堂は、さしずめ「ケニアの丸の内」といったところでしょうか。 注文したのは、ピラウ(スパイス炊き込みご飯)、キャベツのサラダ、そしてサマキ(ティラピアという魚)のトマト煮。油は多めでしたが、味は絶品でした。

自分の血で知る、命の守り方
午後は、健康管理のブリーフィング。
ケニア特有の感染症やその症状についての説明を受けましたが、見せられた症例写真の生々しさに、思わず背筋が凍りました。
私の派遣地域はマラリアのリスクがありますが、予防薬の普及によりここ数年の隊員感染者はほぼゼロとのこと。正しく知り、正しく恐れ、対策する。それが命を守る鉄則です。 講義では、マラリアの簡易検査キットも実践しました。自分の指先に針を刺し、血を出して検査する。やる前は恐怖心がありましたが、やってみれば案外大したことはない。これもまた、一つの度胸試しでした。

40度の保温と、100円の奇跡
帰宅後は、高地順応のために無酸素トレーニングで肺を追い込み、夜は昨日に引き続き同期たちとの夕食会。 メニューはハンバーグ、漬物、そしてなんと手作りの「納豆」。
驚いたのは、その手間暇です。納豆菌の発酵には、24時間40度での保温が必要だといいます。日本なら3パック100円もしないで買える、あの納豆。その裏には、これほどの手間と技術が隠されていたとは。
距離を取り、環境を変え、比較して初めて気づく「当たり前」の凄さ。 一粒の納豆に、日本の豊かさと技術力を噛み締めた夜でした。



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