3分で直るモップと、ケニアの「金継ぎ」
今日は久しぶりに、1日中事務所にいることにしました。
朝9時半頃に出勤し、まずはカウンターパート(CP)と一緒に、1時間ほどかけて事務所の大掃除を行いました。 その途中で、使っていたモップが壊れてしまうというハプニングが。 しかし、CPは慌てることなく、事務所のすぐ裏にいる職人(Fundi)のところへモップを持っていきました。すると、ほんの2〜3分で完璧に修理されて戻ってきました。
以前、有刺鉄線でパンクしたサッカーボールや、底の剥がれた靴がすぐに直る話を書きましたが、ケニアの職人たちは本当に「何でも、すぐに」直してしまいます。 壊れたら捨てるのではなく、直して何度も使う。 その傷跡や縫い目には、日本の「金継ぎ」にも似た、ものを大切に使い切る確かな美しさがあると感じます。

「全員を相手にするな」同僚が語る成功の極意
今日も事務所には何人もの来客があり、いろいろな会話が飛び交いました。
そのうちの一人と、私が現在進めている「マッシュルーム」と「イチゴ」のプロジェクトについて、議論をしました。
私がまずは、農家に作らせるのではなく、先にスーパーやレストランなど『買い手(市場)』を探すための調査をしていることをCPが説明すると、来客者も膝を打って賛同してくれました。
「作ってから売るのではなく、売る先を見つけてから作る。それが本来のビジネスのロジックだ」と。 SHEPアプローチ(市場志向型農業)の概念が、同僚にしっかりと根付いているのは心強い限りです。

その流れで、CPが自身の素晴らしい成功体験を語ってくれました。
それは、まさにコミュニティ開発の「極意」とも言える内容でした。
彼女曰く、多くの農家グループが支援を求めてやってくるものの、20人のグループであっても「実際に本気で活動しているのは3人程度」だと言います。 そこで彼女は、名ばかりのグループを解体し、各グループから「本当に意欲のある少数のメンバー」だけを抜き出して新しいグループを作りました。「3回休んだらクビ」という厳しい条件を課して指導した結果、その養鶏グループは毎月45,000シリングもの利益を生むようになり、国際機関から100万シリング(約100万円)相当の助成金を獲得し、グループから「協同組合」へと成長したそうです。
「全員を相手にする必要はない。意欲のある1人か2人の農家を見つけて、彼らとだけ活動を始めなさい。結果は後から必ずついてくる」
彼女の言葉には、現場を泥臭く変えてきた人間だけの強い説得力がありました。
「周りから『自分もやりたい!』と思われるような成功ケースを作る」。
今のフェーズで私がやるべきことが、クリアになりました。
農家の人生を背負う責任感
その傍ら、今日はマッシュルームプロジェクトの財務モデル(事業計画)を計算していました。 まだまだ荒い数字ですが、概算でも、現在の農家の一般的な収入に比べればグッと上がる利益を出せるポテンシャルを感じています。
CPとも会話し、コスト計算をさらに精緻にするため、明日と来週月曜日に資材屋や大工、農家を回る予定を立てました。 CPは私に対し、「時間はあと1年半くらいしかないんだから、できることから早く動こう!」と急かしてきます。 ケニア人に「急げ」とせっつかれる日が来るとは思いませんでした。まるで日本人のようで、その前のめりな姿勢がとてもありがたいです。
とはいえ、これは私にとっても「新しいこと」。そして何より、農家にとっては「生活がかかっていること」です。 私が帰国した後も彼らが損をしないよう、責任感を持ってリスクを最小限に抑える準備を徹底しなければなりません。 「大胆に早く動くこと」と「石橋を叩いてリスクを減らすこと」。この矛盾する二つを高い次元で両立させることが、今の私のミッションです。

ろうそくの灯りとデジタルデトックス
今日はずっと停電でした。
夜になっても電気は復旧せず、ろうそくを焚いて過ごしました。
PCもスマホも充電が切れかけ、強制的なデジタルデトックス状態です。
揺れるろうそくの火を見つめながら、暗闇の静けさを楽しみました。
少し精神的に余裕ができてきたかもしれないです。



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