【ケニア派遣103日目】20Lの尿肥料とさつまいもの山。同僚のレアな指導姿と、理にかなった農家の知恵

JICA海外協力隊
JICA海外協力隊Kakamegaケニア派遣

同僚のレアな指導姿と、理にかなった農家の知恵

今日から新しい1週間のスタートです。朝からマッシュルームのプロジェクトに向けて、関係農家などにアポイント調整の連絡を入れました。

午前中は、配属先の同僚と一緒に、事務所を訪ねてきた農家さんのフィールドへ赴きました。 現場では、同僚が「バナナは一つの塊(株)につき3〜5本くらいに間引く(剪定する)こと」や、「メイズ(トウモロコシ)と豆を混植する際の間隔は75cmくらいに保つこと」など、具体的な農業指導を行っていました。 ……よく考えたら、彼がこんなにちゃんと現場で「仕事」をしている姿を、初めて見たような気がします。

この農家さん、色々と面白い取り組みをしていました。 一つは、なんと人間の「尿」を肥料として使っていること。 20Lの尿を溜め、そこに20Lの水を混ぜて薄めてから畑に撒いているそうです。

尿はこの黄色のタンクの中に溜められています。

【考察】尿を肥料にするのはアリなのか? 結論から言うと、ありみたい。尿には植物の成長に欠かせない三大栄養素(窒素・リン酸・カリウム)のうち、特に「窒素」が豊富に含まれており、非常に即効性の高い優れた液体肥料(液肥)になります。 ただし、そのまま撒くと濃度が高すぎて根が傷む(肥料焼けを起こす)ため、水で希釈するのは大正解。高価な化学肥料が買えない小規模農家にとって、極めて理にかなったエコな循環型農業です。

また、さつまいもを植えるために、土を盛って「小さな山」のようなものを作っていました。

【考察】さつまいもの小さな山の正体 これは広義の「畝」の一種ですが、正確には「マウンド(Mound=小山、塚)」と呼ばれる栽培スタイルです。日本の長く連なる畝とは違い、一つひとつ独立させて土を盛るのが特徴で、アフリカなどでよく見られます。さつまいもは土の中に塊根(イモ)を作るため、土が柔らかく、水はけが良い環境を好みます。マウンドを作ることで、①土がふかふかになりイモが大きくなりやすい、②水はけが良くなり腐敗を防ぐ、③表面積が増えて地温が上がりやすくなる、といった絶大なメリットがあります。

一見すると原始的に見えるやり方の中にも、しっかりとした生存の知恵と科学が隠されています。現場を歩くのは本当に面白いです。

新規就農の若者との出会い

午後は事務所に戻り、訪ねてきた数人の方とお話をしました。
今日は珍しく、複数のお客さんが来る活気のある1日です。

その中には、親から2エーカー(約8000平米)の土地を譲り受けたという、新規就農の若者もいました。 彼のような若くてやる気と体力のある人材は、新しいプロジェクトにぜひ巻き込んでいきたいところです。今後の展開が楽しみな出会いになりました。

ザンビア隊員との即日ミーティングと、「繋がり」という武器

夕方、信じられないスピード感での出来事がありました。

Facebookで、隣国ザンビアで「マッシュルーム栽培」を行っている隊員の方の投稿を発見しました。「これは絶対に話を聞きたい!」と思い、JICA海外協力隊のグループを通じて連絡を取ったところ、「今日この後、ミーティングしましょう」という流れになり、その日のうちにオンラインで繋がることができました。

すでに現地で実践されている先輩隊員からの学びは、圧倒的にリアルでした。 ネズミによる被害対策、乾季の湿度管理、そしてロジスティクス(物流)の壁。これから私が直面するであろう課題とその解決策を、余すことなく共有していただき、とても有意義な時間になりました。

このスピード感と惜しみない情報共有。
協力隊の本当の良さって、こういう「人の繋がり」にあると心底思います。

すでに日本国内では、私の次の隊次の訓練が終わっています。 これから先、私にとっての「後輩隊員」がどんどん増えていくことになります。 今回、私がザンビアの先輩隊員から実践的な知恵を学ばせてもらったように、私も自分の失敗や成功の経験を後輩隊員に伝えていきたい。もちろん、後輩の新しい視点から学ぶこともあるし、それをまた別の誰かに還元していくこともできる。

途上国という過酷な環境に身一つで放り込まれ、肩書きのない「何者でもない自分」になった時、今の自分にとっての最大の武器は、この「縁」や「輪」というネットワークなのだと思います。

この繋がりを強みに変え、大切に育みながら、明日からも頑張ります。

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