【ケニア派遣101日目】水道のない家と、ストライキの現場。西部隊員集会で知る「比べる意味のない」過酷なリアル

JICA海外協力隊
JICA海外協力隊Kakamegaケニア派遣

キスムへの移動と、西部隊員集会

1本日は、ケニア西部最大の都市「キスム」へ向かいました。 西部地域に派遣されているJICA海外協力隊員の集まりに参加するためです。

マタツ(乗合バス)の中では爆睡していたため道中の記憶はほとんどありませんが、2時間半ほどでサクッと到着しました。 会場には約20人の隊員が集結。久しぶりに会う同期の顔もあり、自然と頬が緩みます。

集会では、それぞれの活動の進捗や、生活事情(水や電気のインフラ状況など)を共有し合いました。 同じ西部地域に派遣されているコミュニティ開発の隊員であっても、配属先の組織体制や気候、インフラ環境によって、直面している状況は全く異なります。

ストライキの波紋と、比べる意味のないリアル

先輩隊員のお話の中で、衝撃的な話がありました。

その先輩は病院に配属され、病院のサイドビジネスとしての農業支援を行っています。 しかし、ケニアの新しい国民皆保険制度(SHA)の移行に伴う混乱で、政府から病院への支払いが滞り、各地で深刻なストライキが発生。スタッフへの給与未払いが続き、日に日に農業プロジェクトのメンバーも減っていくという、まさに崩壊寸前の絶望的な状況だったそうです。 そんな逆境の中から、なんとか一から活動を立て直し、今も奮闘しているというリアルな現場の話を聞きました。

「すごい状況で戦っているな……」と、言葉を失いました。

他の隊員の話を聞いても、「家のシャワーが出ない」「そもそも水道がない」といった過酷な生活環境を明るく笑い飛ばしています。毎日のように停電はするものの、水は安定して使えている私の任地(マトゥング)は、彼らから比べれば随分と恵まれているのだと痛感しました。

そんなハードな環境の中でも、それぞれの専門性を活かしながら泥臭く活動を前進させている仲間たちの姿には、心からのリスペクトしかありません。活動内容も環境も違いすぎるため、誰かと自分を「比べる」ことには本当に意味がありません。ただ、彼らの生き様から素晴らしい刺激を受け、「よし、自分ももっと頑張ろう」と背筋が伸びました。

行進してくる人たち。

3年前の足跡と、旅人だった頃の私

集会が終わり、大人数のエネルギーに少し疲れたので、午後はキスムの街を1人で散歩することにしました。

歩いたのは、「3年前にバックパッカーとして歩いた道」です。 人間の記憶というのは不思議なもので、景色を見ると当時の記憶が鮮明に蘇ってきます。 「ここでエナジードリンクを買って飲んだな」 「あ、あのバラを売っている人たち、まだ同じ場所にいる!」 そして、アフリカを半年間共に旅した相棒の「テント」を買ったお店にも立ち寄りました。なんとも言えないエモい感情が込み上げてきます。

3年前も全く同じ場所でばらをいじっている人たちがいました。

任地に拠点を置き、コミュニティに入り込んで「仕事」をしている今の生活には、今の生活ならではの深い楽しさがあります。でも、縛られるものが何もない「自由な旅人」だったあの頃も、やっぱり最高だったなとしみじみ思いました。

匂いが連れてくる「自分の変化」

もし3年前と同じ場所を旅したとしても、今の私なら全く別のものに興味が湧き、別の感想を持つはずです。

旅の初心者だった前回は、ケニア人から絡まれることに、ただただ無防備にストレスを感じていました。 しかし今は違います。少しばかりスワヒリ語を理解し、絡んでくる人に対して、スワヒリ語で絡み返すことができる強さを身につけました。

旅先の景色を、歩いた場所を、そして街の匂いを媒介にして、「過去の自分からの変化」を定点観測する。これは、長く旅を愛する人間だけに許された、とても面白い自己対話の時間だと思います。

今日はキスムで一泊。 夜は隊員たちと大人数で食事を囲み、みんなの楽しそうな笑顔から、明日を生き抜くための特大の元気をもらいました。

公園の奥にビル。なんか日本みたい

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