朝の仕事を終えた後、私たちは戸馳島から片道2時間半をかけ、天草の西端・下田の海を目指しました。コンビニすらない秘境。そこに何があるのか、ワクワクを胸に車を走らせます。
道中は、宮川さんの同級生だという、約400人の従業員を抱える企業の社長とそのご家族とご一緒させていただきました。普段ほとんど触れることのない社会福祉の領域など、新しい学びの多い、ありがたい時間でした。
価格以上の価値。”モノ”ではなく”コト”を売るということ
そして、辿り着いた海は、息を呑むほどに美しかった。透き通った水の中を覗けば、色とりどりの魚たちが舞い踊る、天然の水族館。
もちろん、道具さえあればシュノーケリングは一人でもできます。しかし、ここの体験には、その料金をむしろ安く感じさせるほどの、確かな価値がありました。
それは、参加者全体の様子に常に気を配り、時間配分を考え、最高のスポットへ案内し、思い出を写真や動画に収めてくれる、ガイドの方の丁寧で温かいサービス。単なる「シュノーケリングをする」という”モノ”ではなく、その前後の時間も含めた、忘れられない”コト”としての体験。その価値デザインに、深く感銘を受けました。(海なし県・埼玉で育った私にとって、海はやはり最高に興奮します。)


隅田川の花火と、三角港の花火
帰宅後、少し休憩してから、今度はみすみ港まつりへ。夜空に打ち上げられた花火は、想像以上に大きく、迫力満点でした。
ちょうど1年前の今日、私は隅田川の花火大会に行っていたことを思い出します。もちろん、規模で言えばあちらが圧倒的です。
しかし、心地よい密度で、あり得ないほど近い距離から見上げるこの花火には、大規模なイベントとは全く質の異なる、贅沢な良さがありました。「よか!」と思わず声が漏れます。

夏祭りの、人間臭くて愛おしい風景
夜だというのに、なぜかサングラスをかけたまま花火を見上げる人。やたらと煙たい焼きそばの屋台、そして、器の原価が中身を上回っていそうな、400円のかき氷。
夏祭りという非日常の熱に浮かされた、少しだけ滑稽で、だからこそどうしようもなく人間的な風景。論理や合理性では説明できない、こうした瞬間にこそ、人の本質が垣間見えるようで、私は結構好きだったりします。
海で泳ぎ、花火を見て、祭りの喧騒に身を委ねる。
これぞ日本の夏、というような、本当に素敵な一日でした。

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