昨日の雨が嘘のように、朝の空は澄み切った快晴。散歩をしながら深呼吸をすると、心の中まで洗われるような清々しい気持ちで一日が始まりました。まだ万全とは言えない体調も、この天気のおかげか、少しずつ上向いている気がします。
さて、今日から本格的なオリエンテーションが始まりました。
JICAの創設経緯や活動目的、JICA九州や熊本デスクの役割といった、マクロな視点からの講義が中心でした。その中で特に心に響いたのが、「皆さんは今日から”公人”です」という言葉。その一言に、自分の立場と責任の重さを改めて自覚し、身が引き締まる思いでした。
また、全国各地で訓練を行う46人のグローカルプログラム参加者全員の自己紹介があり、夜には九州メンバーでの雑談会を行い、仲間について知る機会がありました。
一人ひとりの経歴や想いは驚くほど多様で、その個性の奔流に圧倒されっぱなしでした。
全く違うバックグラウンド、目的、野望を持ちながらも、「青年海外協力隊」あるいは「グローカルプログラム」という一つの交差点で交わっているのがとても興味深かったです。
昼食は施設内の「JICAFE」にて。ハラール料理なども並ぶメニューは、多国籍の人々が行き交うこの場所ならでは。今の私の体調にちょうど良い、刺激の少ない優しい味の大豆カレーを選びました。
様々な講義や出会いを通して、今日一日で考えたことは大きく二つあります。
一つ目は、「薄いつながりの重要性」です。普段は頻繁に会うわけでも、特別に親密なわけでもない。けれど、いざという時に頼ることができ、助け合える。そんな軽やかで、けれど確かなつながりが、可能性を広げ、困難な状況を乗り越える力になるのではないかと感じました。
二つ目は、「きっかけを提供することの重要性」です。私たちの活動には時間という制約があります。どんなに素晴らしい成果を上げたとしても、私たちが去った後にそれが続かなければ意味がない。だからこそ、現地の人々の中に”小さなきっかけ”を作ることが何よりも大切だと思っています。
この二つの考えは、私の中で一つに繋がりました。
私たちは、誰かに頼る方法を伝えたり、人と人とを繋いだりすることで、彼らが自ら経験を得るための「種」を蒔く存在であるべきです。そして、その「種」の蓄積は、「薄く広いつながり」の中にこそあるのだと気づきました。多様な人々との交流の中に、新たな挑戦のヒントや困難を乗り越える知恵が眠っている、、、
私たちの役割は、その豊かな土壌を耕し、種を見つける手助けをすることなのかもしれません。
公人としての自覚と、これから何をすべきかという指針。大きな学びを得た一日でした。