前回の記事では、私が青年海外協力隊を志した原体験と、その根底にある想いについてお話しさせていただきました。
今回はその続きとして、「なぜ、海外へ行く前にまず“国内”のプログラムに参加するのか」
その理由についてお話しします。
私が今参加しているのは、JICAの「グローカルプログラム」というものです。
これは、青年海外協力隊の派遣前訓練とは別に、任意で参加できる特別なプログラム。
一言でいえば、協力隊版の「地域おこし協力隊」のような活動です。
参考:グローカルプログラム
https://www.jica.go.jp/volunteer/glocal_program
参考:地域おこし協力隊
https://www.iju-join.jp/chiikiokoshi/index.html
全国各地の自治体が「地域創生」をテーマにした活動の場を提供し、参加者はその中から自分の意志で任地を選び、応募します。
数ある選択肢の中から、私が選んだ場所。
それが、熊本県宇城市にある戸馳島(とばせじま)です。
理由は、明確でした。
前回の記事で、私はケニアでの活動テーマとして「農業×マーケティング」を掲げている、とお伝えしました。
その実践的な学びを、日本国内で、しかも地域おこしの最前線で積むことができる場所。
それが戸馳島でした。この島は、まさに「地域おこし×農業」に全力で取り組んでおり、生産(1次)だけでなく、加工(2次)、流通・販売(3次)までを一貫して行う「第6次産業化」にも挑戦しています。
ケニアへ行く前に、日本でそのモデルを肌で感じ、自分に何ができるのかを試してみたい。
その思いが、私をこの場所へと導きました。
もちろん、この3ヶ月間、会社に残ってマーケティングの仕事を続けるという選択肢もありました。
その道で得られる知識や経験も、間違いなく大きな価値があったと思います。
その選択と天秤にかけた上で、私は「現場での実践」を選びました。
たった3ヶ月かもしれません。
しかし、この期間にしか得られないリアルな経験が、必ずや将来の力になると信じています。
「こっちの道でよかった」と胸を張って言えるように。
これからの3ヶ月間、全力で駆け抜ける覚悟です。