月曜日の朝礼から、新しい一週間が始まりました。今週も頑張ろう、と気持ちが引き締まります。ふと目に留まったのは、農場長の父親の知人から譲り受けたという風蘭(ふうらん)。自生する蘭の、苔むした姿と生命力に溢れたその佇まいは、荒々しくも気高く、とても美しいものでした。

実践しながら聴く、ブルーベリー栽培のブルーオーシャン戦略
午前中は、ブルーベリーの剪定作業。その傍ら、私は耳からビジネスの最先端を学んでいました。養液栽培の第一人者が書いた『最強の農起業!』という本を、Audibleで聴きながら作業を進めます。
ポット栽培によって、ハイヒールやベビーカーでも来園できる「デートスポット」「ファミリースポット」としての農園を実現する。団体客をあえて受け入れず、高価格帯で一人ひとりへの丁寧なサービスを徹底するブルーオーシャン戦略。そして、労働生産性という観点から見た、ブルーベリーという作物の優位性と観光農園という合理性。

肉体労働であるはずの剪定作業が、その背景にある緻密な理論と戦略を理解することで、途端に立体的な意味を持ち始め、面白くなりました。
美しさの裏側にある、神経衰弱のような選別作業
午後は、胡蝶蘭の作業へ。
花の傷や向きをチェックしながら、膨大な数の中から、花の大きさ、数、そして蕾の数がほぼ同じものを3本選び出す、というもの。
これは、まさに「神経衰激」でした。複数の要素が完全に一致する組み合わせを探し出す、その途方もない作業。店頭に並ぶ、あの寸分違わぬ美しい胡蝶蘭の鉢植えの裏側には、こんなにも繊細で骨の折れる仕事があったのかと、改めて驚かされます。
情熱大陸の住人たちと、残り2ヶ月という時間
夜は、週に一度の勉強会。これは「特地」というプロジェクトで2年間、戸馳島で活動する同居人に、私が前職で得たマーケティングの知識をインプットする会です。人に教えることは、自分自身の学びにも繋がり、とても貴重な機会となっています。
その後は、私を含めた3人で、稲葉さん(イノP)と宮川さん(宮川洋蘭)がそれぞれ特集されたドキュメンタリー番組「情熱大陸」の鑑賞会をしました。
毎日身近に接していると、つい慣れてしまいますが、改めて映像を通してその軌跡を目の当たりにすると、彼らがどれほどすごい覚悟で社会課題と向き合い、本気で事業に取り組んでいるのかを再認識させられます。リスペクトしかありません。
https://farmer-hunter.com
https://www.mbs.jp/jounetsu/2020/11_01.shtml
この島に来て、もうすぐ1ヶ月。この偉大な先達の側で学べる時間は、残り2ヶ月しかない。その事実に、すでに惜しいという気持ちが込み上げてきます。一日一日を大切に、吸収できる全てを学んでいこう。そう強く決意した夜でした。

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